クラフトスピリッツを再発見するWEBマガジン

焼酎ビギナーこそ酒屋へ行こう! 川崎・西山屋でおすすめの焼酎を聞いてみた!

飲める店・買える店

焼酎ビギナーこそ酒屋へ行こう! 川崎・西山屋でおすすめの焼酎を聞いてみた!

Text : Taku Ito(SHOCHU NEXT)
Photo : GINGRICH(SHOCHU NEXT)

  • Twitterでシェア
  • Facebookでシェア
  • Lineで送る

本格焼酎(ばかり)を飲むようになって1年ほどが経ちます。「お酒は何が好きなの?」と聞かれれば「焼酎が好きです!」と即答できるくらいには焼酎LOVERになってきました。そろそろ自分なりの好みの銘柄を開拓したいなと思って、てっとり早くネットで探してみるけれど……。うーん、ありすぎてどれを選べばいいのか全然わからない。自分では選びきれない僕みたいなビギナーこそ、人に聞くのが一番!そう思い立った僕はおすすめの焼酎を教えてもらうために、酒屋さんを訪ねてみることにしました。

川崎市の町の酒屋さん「西山屋」

おすすめの焼酎を教えてもらうべく、僕が足を運んだのは神奈川県川崎市。横浜市にある矢向駅から歩いて10分、横浜市と川崎市のちょうど境目に差しかかると、目当てのお店「西山屋」のロゴマークが大きく入った赤いタペストリーが見えてきます。

何かいい焼酎はないかと検索しているうちに見つけた西山屋。こだわりを感じるラインナップが揃うオンラインショップにおしゃれな雰囲気の店舗写真を見て、おすすめの焼酎を聞くならここしかない!と思い立ってやってきました。

お店の外からでも店内の様子がよく見えるドアを開けて中に入ると「いらっしゃいませ!」と西山浩次さんと友梨さん親子が明るい声で迎え入れてくださいました。

1959年創業の西山屋。創業以来、60年以上川崎の地に根を張り、家族で営んできている酒販店です。取り扱っているのは日本酒とワイン、それから焼酎。それに加えておつまみになる食品も揃います。

食品は、軽いおつまみというよりは、ロールキャベツにカレーなど、しっかり食事といった感じ。生産者さんと直接やりとりをしているこだわりのラインナップだそうです。どれもおいしそうです!
そういえば、お店の外の看板のメニューには、お酒でなく食品のことしか書いてありませんでした。ここまでこだわりを持っているのはなんでなんだろう?

「外の黒板に食品だけを書いているのは、まずは幅広い人にお店に興味を持ってほしいから。酒屋さんっていうとどうしても入りにくい印象があると思うんです。少しでもお店に入りやすいよう、しっかり食品も取り扱うようにしています」

酒瓶がずらりと並ぶ酒屋さんの陳列棚は圧巻だけど、なんだか気圧されてしまってお店に入りづらいのはよくわかります……。こういった心遣いは酒屋ビギナーの僕にはとても嬉しい!

入りやすい雰囲気とすっきりとしたレイアウトが印象的な店内。壁の一面が焼酎コーナーになっていました。食品同様、こだわりを感じるセレクトです。

「同じようなお酒や食品を扱うセレクトショップは川崎駅の商業施設にもある。他店舗との差別化をはかるためにも蔵元さんやつくり手とのお付き合いを大切にしています。そういった中でしか知れないことや聞けないお話をお客様にも伝えられたらなと思っています」と話す浩次さん。

「もちろん日本酒やワインも好き。でも焼酎も、大きな可能性を秘めているお酒だと強く感じています。最近では世界の評価も高まってきていますし、蔵元さんもそれに伴って様々な取り組みや挑戦をしている。そういった志の高い蔵元さんたちとやりとりをさせていただいています」

蔵元との付き合いの中で培ってきた豊富な知識と深い理解を教えてもらえるのが、酒屋さんのいいところ!
西山屋のお客さんは地元の方がメイン。しかし中には千葉県から足を運ぶ人もいるのだとか。遠方からも足を運ぶ人がいるのも納得です。

焼酎が並ぶセラー。セレクトショップとしての意味合いを持たせるためのディスプレイにもこだわりを感じます。

西山屋・西山友梨さんにおすすめの焼酎を聞く!

おすすめの焼酎を教えていただいたのは西山友梨さん。家族旅行で蔵元を訪れたり、中学生になるとお店のイベントを手伝ったりと、幼い頃からお酒に馴染みのある環境で育ってきたといいます。蔵元さんたちを「何をつくっているのかは知らないけど、年に一度会えるおじちゃんという認識でした(笑)」と友梨さん。まるで親戚のおじさんのことのよう! そんな言葉からも、家族ぐるみの深い関わりを感じます。

おすすめの焼酎を教えてほしい旨を伝えると「うちにある焼酎はどれもおいしいから、どれを選んでも大丈夫!」と胸を張って答えてくれました。……頼もしい!
西山さんに僕の好みをお伝えします。「香りはしっかりして焼酎感はしっかり欲しい! でもクセは少ないものがいいんですよね……。そんな焼酎ってありますか?
我ながらわがままなオーダーだなあと恐縮しつつ、いったいどんな焼酎と出会えるのでしょうか。

女性杜氏がつくる芋焼酎〈ひとり歩き〉

友梨さんがまず紹介してくれたのは宮崎・古澤醸造がつくる芋焼酎〈ひとり歩き〉昔ながらの甕仕込みでつくられる〈ひとり歩き〉は口当たり上品でまろやか。それでいて上品でキレのある味わいで女性人気も高い銘柄なのだそう。
〈ひとり歩き〉はどんな割り方をしてもおいしく飲める万能な焼酎!おいしすぎて家で小脇に抱えていたいくらいです(笑)」そんなにおいしいならぜひとも飲んでみたい!

古澤醸造の焼酎の魅力は味だけではありません。「古澤醸造さんは女性杜氏の蔵元さん。女性でも持ちやすいように通常よりも細長いボトルになっているんですよ」と友梨さんに言われて他のボトルとかたちを比べてみると、確かに他より細長い!ボトル上部のくびれもスリムで、持ってみると手にしっかり馴染むのがわかります。「女性の目線に立った焼酎づくりは古澤醸造さんの魅力です。楽しんでみてください!」

初心者には軽めの麦焼酎を!〈宇佐ぼうず 道中

実は西山屋にお邪魔する前から、1本は麦焼酎から選んでもらおうと決めていました。というのも僕、実はほとんど麦焼酎を飲んだことがないんですよね……。このままでは焼酎LOVERは名乗れないですね(それどころかSHOCHU NEXT編集部員失格?)。なのでこの機会においしい麦焼酎に出会いたい!友梨さんはどんな麦焼酎をおすすめしてくださるのでしょうか。

麦は焼酎の中でも一番クセが少なくて飲みやすい原料だと思うんです。『焼酎を買いたいんだけど何を選んでいいのか全くわからない……』という相談を受けたら、私はまずは麦焼酎をおすすめしています。焼酎初心者やこれから試してみたいという方にもクセが少なくて軽い味わいの麦焼酎をおすすめするかな
クセが少なくて軽い味わいか……、いいかもしれない。飲みやすくておいしいものが1本あれば、友達が自宅に遊びにきた時にも振る舞いやすそうだし。

「クセが少なくて軽い味わいの麦焼酎」としておすすめしてくれたのは大分県の常徳屋酒造場の〈宇佐ぼうず 道中〉。原料となる麦には地元宇佐で取れるハダカ麦を100%使用。ハダカ麦特有の芳醇な香りとキレのある味わいが特徴です。「〈宇佐ぼうず 道中〉はクセも強すぎずバランスもよくて、上品な仕上がりの麦焼酎。初心者が飲むならこれがいいいいと思います!」

友梨さんに選んでいただいた、〈ひとり歩き〉〈宇佐ぼうず 道中〉の2本を購入しました。どちらも飲んだことがない銘柄なので楽しみです!さっそく帰宅して飲んでみたいと思います。

友梨さん、ありがとうございました!

おすすめの飲み方で飲んでみよう!

ひとり歩き〉×ミルクティー割り

割り方を選ばない〈ひとり歩き〉ですが、古澤醸造では変わり種としてミルクティー割りをおすすめしているのだとか。
なんだかミルクティーで割ったら焼酎が負けちゃいそうな気がするけど大丈夫かな……?。
そんな不安を抱きながら、〈ひとり歩き〉のミルクティー割りを試してみます。口に含んでみるとびっくり!ミルクティーに隠れることなく〈ひとり歩き〉の風味が感じられる!しかもミルクティーの甘さと芋のほんのりとした甘い香りの組み合わせが絶妙です。これはいくらでも飲めるぞ……。
今回はアイスミルクティー割りですが、ホットでも合いそうです。クッキーやドーナツなど、甘いものと合わせたら最高ですね!

〈宇佐ぼうず 道中〉×お湯割り

続いては〈宇佐ぼうず 道中〉です。こちらはソーダ割りかお湯割りがおすすめとのこと。最近ようやく春らしくなってきたけど、まだまだ突然気温がガクッと下がる日がありますよね。そんな日に合わせて〈宇佐ぼうず 道中〉はお湯割りをしてみようと思います。
〈宇佐ぼうず 道中〉を開栓すると、ほんのりとまろやかであま~い香りがします。お湯割りにするとさらにこの香りが際立ちます!存在感のある香りだけど、とても優しくていい感じです。飲み口は友梨さんの言うとおり、とっても上品!なんというか、全くトゲがなくてまる~い味わいです。これは飲みやすい!
ほんのりと甘い、チョコレートのような香りもします。今まで全然ピンときたことがなかったけど、もしかしてこれが「麦チョコ」ってやつか?! おいしいうえに、新しい発見もできて大満足でした!

焼酎は自由に楽しめるお酒だ!

おすすめしていただいた焼酎はどちらもとってもおいしかったです。

ミルクティー割りを飲みながら「焼酎は水割りじゃなきゃダメ! お湯割りじゃなきゃダメ!な んていう決まりはなくて、自由に楽しめるお酒だと思うんです。最近ではジンジャエール割りやコーラ割りをおすすめしている蔵元さんも出てきて、つくり手の中でも自由に楽しめればいいっていう考え方をするようになってきています」と友梨さんが話していたのを思い出していました。確かに割り方も濃さもその時の自分にあった飲み方を選べるのは焼酎の魅力です。飲み方の幅が広がれば、もっと焼酎は親しみやすいお酒になるはず。

「自由に楽しめるのは原料の選別や処理、それから道具の清掃状態などなど、さまざまなことに気を配っている蔵元さんの焼酎づくりがあってこそのもの」と続ける友梨さん。

もとの焼酎のつくりがしっかりとしているから、どんな割り方をしてもおいしく飲める。当店で取り扱っている焼酎はどれもしっかりとしたつくりのものばかり。だから私たちも安心してお客様におすすめできるし、どんな割り方をしても大丈夫だと伝えたいですね」

西山屋について

数ある焼酎の中から自分ひとりで好みのものを見つけ出すのは難しい。そんな時は知識のある方に聞いてみるのが自分の好みの焼酎を見つける近道になります。

新しい焼酎に出会いたくなったら、西山屋に聞いてみるのはどうでしょう。西山屋では公式LINEでの気軽に問い合わせもできます。「いろんな人に気兼ねなくお酒を楽しんでほしい!」という友梨さんになら、どんな些細な質問でもできそうです。そして、あなたにピッタリの焼酎を紹介してくれるはずです!

西山屋
住所 神奈川県川崎市幸区戸手本町2-225
営業時間 10:00~20:00(日・祝 10:00~19:00)
定休日 
月曜日
HP http://nishiyamayaonline.com

Share

  • Twitterでシェア
  • Facebookでシェア
  • Lineで送る

関連記事