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焼酎&泡盛がワインと並んで飲まれる日は近い!? 「Kura Master」始まってます

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焼酎&泡盛がワインと並んで飲まれる日は近い!? 「Kura Master」始まってます

Text : SHOCHU NEXT

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焼酎・泡盛部門新設! お酒コンペ in フランス

国内外で数多く行われているお酒のコンペや品評会のなかでも、「Kura Master」(クラマスター)はちょっと特徴的。評価の対象は日本のお酒、審査の舞台はフランス。フランスを中心に、ヨーロッパで活躍するソムリエ、バーマン、カーヴィスト(ワイン醸造所などで、購入者にテイスティングでのアドバイスを行う職業)などのアルコールのスペシャリストや、シェフやレストランオーナーなどの飲食業界関係者が日本のお酒を審査するのだ。

2017年から始まったこの「Kura Master」、これまでの評価対象は日本酒のみだったが、2021年度から新たに本格焼酎・泡盛コンクールが新設! 7月12日の審査会に向けて、4月5日までエントリーを受付中だ。

初年度の今年はアルコール度数を30度以下のものに限定し、芋・米・麦・黒糖・泡盛の各部門のほか、樽貯蔵部門を加えた6部門の構成。原料特性や製造過程にも配慮をした部門構成で、どんな焼酎&泡盛がどんなコメントを得るのか今からとても待ち遠しいところ。

焼酎・泡盛の蔵元をオンラインで訪問

球磨焼酎をつくる熊本県人吉市の繊月酒造、フランスのバイヤー、ソムリエ、Kura Master事務局などをオンラインでつなげてプレゼンテーション。

「Kura Master」について注目すべき点がもうひとつ。それは審査員の日本のお酒についての知識を深めるために、審査員が蔵元を訪ねる研修旅行を行ったり、フランスらしくお酒と食とのマリアージュを体験する機会があったりと、コンクールに留まらない文化的な活動も豊富なこと。日本のお酒を正しい理解とともにヨーロッパへと広げる足がかりになっているというわけ。

今年の本格焼酎・泡盛部門の新設に合わせて、文化交流事業もスタートを切っている。九州経済産業局、内閣府沖縄総合事務局、九州経済国際化推進機構、JETRO在九州・沖縄事務所とKura Masterの連携で、「九州・沖縄×フランス 本格焼酎・泡盛国際展開チャレンジ2020」が開催中だ。

コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、今年はオンラインでの交流が中心。4つの蔵元とフランスをオンラインで結び、オンライン蔵元見学と試飲会が開催されるほか、15蔵のオンライン商談会が行われる。

2月15日に開催されたのは、熊本県人吉市の「繊月酒造」のオンライン蔵見学と、オーク樽熟成の〈焔の刻印〉の試飲会。同社社長の堤純子さんによるプレゼンテーションや、フランスの飲食文化に見識の深いKura Masterによる試飲コメントなどにバイヤーやソムリエたちが聞き入った。

ヨーロッパで大人気のシェフ、アンヌ=ソフィ・ピックの一皿にオーク樽熟成の球磨焼酎を合わせるペアリングの提案。これまで焼酎に対して持っていた既成概念が覆る。

なかでも印象的だったのは、フランスのKura Master側からのペアリングの提案だ。フランスの南東部・ヴァランスにあるミシュラン三つ星レストランとして名高い女性シェフ、アンヌ=ソフィ・ピックの定番メニューである野菜のグリルに黒トリュフやサバイヨンソースをかけた一皿に、室温の〈焔の刻印〉をストレート、白ワイングラスでサーブ。あるいは食後酒としてオールドファッションのようなスタイルでなど、とても新鮮で魅力的なプレゼンテーションが続いた。

さらに、フランス側から蔵元への質問が、麹の種類について、また蒸留前のもろみの度数についてなど、焼酎・泡盛ならではの特長をよく捉えたものだったことも印象深い。

文化として焼酎・泡盛を発信していく舞台が整いつつあることを実感するオンラインイベントだった。

「Kura Master」審査委員会 副委員長を務めるパズ・ロビンソンさん。アンヌ=ソフィ・ピック率いるピックグループのエグゼクティブシェフソムリエだ。

Kura Master
2017年よりフランスで開催されている日本のお酒のコンクール。フランスの最高職人の資格であるMOFの保有者をはじめ、フランスの一流ホテルのトップソムリエやバーマン、カーヴィストや、レストラン、ホテル、料理学校関係者など、飲食業界の錚々たるプロフェッショナルが日本のお酒を審査する。

コンクールへの出品は現在受付中で、エントリーは4月5日まで! コンクール要項やエントリーに関する情報などは「Kura Master」ウェブサイトにて(日本語ページあり)
https://kuramaster.com/ja/ 

フランス人ソムリエが大絶賛の熟成焼酎〈焔の刻印〉って?

今回のオンラインイベントで「ドライフルーツやくるみ、バニラ、トーストしたシリアルやカモミールなどを感じる、非常に複雑で素晴らしい香り。味わいと香りにも一貫性がある」と絶賛された〈焔(ほむら)の刻印〉は、米焼酎をオーク樽で10年以上寝かせた逸品。熟成焼酎の可能性を感じさせる飲みごたえなので、機会があればぜひ試してほしい!

焔の刻印
【米焼酎】
貯蔵 10年以上(樫樽)
度数 35度
原材料 米、米麹
蒸留 常圧蒸留・減圧蒸留のブレンド

蔵元 繊月酒造 WEB→
所在地 熊本県人吉市

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