
今年で3回目となる「酒屋が選ぶ焼酎大賞」のメディア向けのお披露目会が7月24日、3×3 Lab Future サロンにて開催されました。「本屋大賞」の焼酎版ともいえるこの賞は、全国の酒屋が「お客様におすすめしたい!」焼酎が選ばれるとあってその年のトレンドがわかる会でもあります。今年はどの銘柄が選ばれたのでしょうか。
「酒屋が選ぶ焼酎大賞」とは

「酒屋が選ぶ焼酎大賞」は2022年に第1回目を開催、その後毎年この時期に開催されています。全国で焼酎を取り扱う酒販店が主体となり実施し、「その年の最も魅力的&おすすめしたい焼酎・泡盛を1本選ぶ」というものです。

今年は114店が全国から参加し、芋、麦、米、黒糖、泡盛の5部門で各1本ずつおすすめの焼酎を選定、ノミネートされた218銘柄を一同に集め、約90名の酒販店がブラインドでの審査会を実施、大賞が選ばれました。

実行委員長の酒舗まさるや 園部将さんは「毎年この酒屋が選ぶ焼酎大賞を通じて、蔵元さんと酒屋がこの業界を盛り上げて行きたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします」とコメント。焼酎業界への熱い想いを語りました。
芋焼酎部門大賞はGLOW EP05
ここからは各受賞酒蔵さんからのコメントをご紹介します。

芋焼酎部門で大賞を受賞したのは若潮酒造の「GLOW EP05」。酒屋が選ぶ焼酎大賞の1回目から3回目まで3年連続で大賞を受賞し、初の「殿堂入り」となりました。
上村曜介さんは「3回目の大賞を受賞し、殿堂入りも頂くことができました。また来年もこの場に来れるように新たに面白いお酒を作りたいなと思っております」と喜びを語りました。
「『GLOW EP05』は2018年にソーダ割でフルーティーに飲んでもらえるお酒を作ろう着手し、毎年試行錯誤しながら中身を変えて発売しています。今年発売しているものは今までで1番香りが強いんじゃないかなと思っていますが、そういったところがこう評価していただけたのかなと思っております。特徴として芋の種類や酵母・麹の種類を明かしていないのですが、飲んだ方に自由に感じたことを言い合いながら飲んでいただきたいですね」

優秀賞を受賞したのは国分酒造の「flamingo orange」。
笹山護さんは「去年に引き続き若潮さんに敵わず優秀賞でした」と悔しさをにじませつつも、「『GLOW EP05』とは違って『flamingo orange』はスペックを詳細に公開しています(笑)。東京のとある飲食店さんで、ワイン酵母を使った減圧の芋焼酎を飲んだ時にバナナの香りを感じたのに衝撃を受けたのが始まりでした。『鹿児島香り酵母1号』を使うことでこの香りを出すことができています。トロピカルなラベルは東京在住の女子大生の方に描いていただきました。ぜひ飲んで頂きたいです」とアピールしました。

同じく優秀賞を受賞したのは高良酒造の「八幡」。
高良信彦さんは「『八幡』は『GLOW EP05』・『flamingo orange』とは全く方向性が異なるお酒で、100年前からある銘柄です。昔ながらの味をずっと続けていたら評価をしていただけて嬉しいです」と語りました。
麦焼酎部門大賞は麦冠情け嶋

麦焼酎部門で大賞を受賞したのは八丈興発の「麦冠情け嶋」です。
小宮山善友さんは「八丈興発では二代目の時、私が高校生の時でしたが、蔵が火事になってしまいまして、全焼してしまいました。そこで蔵を移転し、初めて減圧蒸留機を導入、これが息を吹き返す転機となりました。
私自身は広島市酒類総合研究所等を経て2005年から約20年焼酎作りに携わっていますが、祖父の時代に作っていた飲みごたえのある焼酎をもう1回復活したいということで作ったのが、『麦冠情け嶋』です。今年の3月にはGI『東京島酒』を取得することができました。9月には国際フォーラムでもイベントをするので多くの方に東京島酒を知って欲しいですね」と喜びを語りました。

優秀賞を受賞したのは藤居醸造の「舞香」。
藤居淳一郎さんは「『舞香』は常圧の焼酎です。常圧のものは出来たては結構荒いんですが、3年間寝かせることで荒さが取れて香りがしっかり残り、まろやかさが出ます。香りが舞うところから『舞香』と名付けております。
昨年は『新焼酎 特蒸泰明』が受賞し、連続して賞を頂きました。より多くの方々に飲んでいただけるように今後も頑張っていきたいと思います」とコメントしました。

同じく優秀賞を受賞したのは四ッ谷酒造の「兼八」。
四ッ谷岳昭さんは「今回優秀賞を頂いて1番びっくりしてるのが当の本人です。『兼八』は評価が分かれる焼酎かなとずっと思ってたんですけれども、改良しながら風味を残しつつ欠点を取り除く作業を続けてきたことで、今回受賞できたのかなと感じております」と謙虚なコメントをされていました。
米焼酎部門大賞は特酎米製天草

米焼酎部門で大賞を受賞したのは天草酒造の「特酎米製 天草」。「天草純米焼酎」も優秀賞を受賞しています。
平下豊さんは「『特酎米製 天草』は減圧の米焼酎だけどお湯割りでも飲めるような焼酎を作ろうと始めました。お米なのにボディーの強い焼酎を目指して20年ぐらい取り組んでいます。私たちは天草で唯一の焼酎蔵なので、焼酎を通して天草に興味を持ってもらいたいですね。焼酎飲んで興味が沸いたらぜひ天草へ遊びに来てください!」と明るくコメントをしてくれました。

米焼酎部門で優秀賞を受賞したもうひとつの銘柄は宮泉銘醸の「米玄武」。なんと、日本酒の酒蔵さんです。
宮森大和さんは、「私たちは『冩楽』という日本酒を造っている酒蔵です。今回、酒販店さんからのご推薦をいただき、まさかの優秀賞ということで貴重な体験をさせていただきました。今日この会場にいらっしゃる焼酎蔵の方々から話を聞いて、さらに技術を高めて頑張りたいと思ってます」と話していました。
黒糖焼酎部門大賞は南の島の貴婦人

黒糖焼酎部門で大賞を受賞したのは朝日酒造の「南の島の貴婦人」。
喜禎浩之さんは「大賞を頂き、本当にありがたい気持ち、感謝でいっぱいでございます。1回目に優秀賞、2回目は大賞と優秀賞をいただきましたが、今回この表彰式に参加するのが初めてです。
『南の島の貴婦人』は、焼酎の蒸留の際に最初に垂れてくる部分だけを集めた銘柄です。 『南の島の貴婦人』という名前は、島に生息する蝶、『オオゴマダラ』の別名です。『オオゴマダラ』は飛んでる姿が非常に優雅なことから、島では南の島の貴婦人と呼ばれています。香り高いお酒に蝶々が華やかに優雅に寄ってきたというイメージで名付けられました。サトウキビをイメージしたボトルにも注目してくださいね」とコメントされました。


大賞を受賞した2蔵の参加は叶わずでしたが、ぜひ飲んでみたいですね。
泡盛部門大賞は直火請福

泡盛部門の大賞を受賞したのは請福酒造の「直火請福」。
座安一樹さんは「2年連続大賞を頂くことができました。受賞できたことで方向性は間違ってなかったのかなと思っています。石垣島から全国に、皆さんに飲んで頂けることを期待しながら、これからも頑張っていきたいと思います」とコメント。来年も受賞することができれば殿堂入りということで王手がかかった状態です!

優秀賞を受賞したのは瑞泉酒造の「尚 瑞泉 SHO ZUISEN」。
伊藝壱明さんは「尚は蒸留を3回行っています。通常、泡盛はもろみから蒸留は1回しかやらないのが原則なんですが、蒸留を3回することでフルーティーでクリアで全麹のお米の甘い香りを濃縮したような味わいになっています。泡盛は年々製造量と出荷量が落ちていますが、楽しめるようにと開発しました。様々なシーンで飲んで頂きたいですね」と挑戦の軌跡を語ってくれました。

同じく優秀賞を受賞したのは八重泉酒造の「島うらら」。
座喜味盛行さんは「石垣島は沖縄県内でも有数の米どころです。自分たちの島でできたお米で泡盛を作りたいと思ったのが最初の始まりでした。泡盛はタイ米で作るのがセオリーですが、地元のお米を使うこと苦労した点もございました。なんとか商品化することができ、ありがたいことに優秀賞を頂くことができて大きな喜びを感じています」とコメントしました。


会の終盤は関係者全員で試飲!蔵元さんとの交流を楽しみました。
殿堂入りも誕生した「第3回酒屋が選ぶ焼酎大賞」。来年はどのような焼酎が選ばれるのでしょうか。

