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一年なんて待てない! その日のうちに飲める梅酒ができてしまった|SHOCHU NEXT的〈スピード梅酒〉のつくり方

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一年なんて待てない! その日のうちに飲める梅酒ができてしまった|SHOCHU NEXT的〈スピード梅酒〉のつくり方

text & photo : Taku Itoh(SHOCHU NEXT)

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近頃スーパーに買い物に行くと、店頭に梅と氷砂糖、果実酒用のホワイトリカーが並んでいるのを見かけます。“梅しごと”なんて文字がネットに踊ったり…今年も梅酒づくりの季節ですね。お気に入りのクラフト焼酎で梅酒づくり、もちろん考えなくはないんです。でも大量につくっても余っちゃうし、半年や1年も完成を待っていられない!!!

というわけで今回は、簡単につくれて、なおかつその日のうちに飲める即席“スピード梅酒”のつくり方をご紹介します。ちょっとびっくりするほどおいしいのが出来上がりましたよ!

即席梅酒づくりの第一歩。まずは梅を凍らせるべし!

一般的な自家製梅酒は、梅と氷砂糖、それから20度以上の蒸留酒を一緒に漬け込み、最低でも半年くらい出来上がりを待ちます。半年……! なかなか待ちきれなくないですか(笑)? さらに漬け込んだ直後は容器を振るなど、意外と手間も多いんですよね。

この手間となが~い待ち時間をできるだけ省略したい。もっと欲をいうなら、手間は省きつつ、ちゃんと手づくり感は欲しい!そんなわがままを叶える方法をひとつ見つけました。それが……

冷凍梅を使うこと!

梅を冷凍して解凍することで、実が格段に柔らかくなり、果汁が出やすくなります。これによって、梅酒の仕上がりがググッと早まるというわけ。冷凍梅を使った梅酒づくりだと、最短で数週間のうちに飲めるようになるんです。さらに冷凍には、あっという間に旬が過ぎてしまう梅をいつでも楽しめるというメリットも!

冷凍梅を活用した梅酒づくり、いいとこづくしな気がします。

【冷凍梅のつくり方】
①梅を丁寧に水洗いする
②水洗いした梅の水分を拭き取り、爪楊枝などでヘタをとる
③袋や容器にいれて冷凍庫で凍らせる

ココがポイント!

冷凍梅にする場合はアク抜きは不要。ヘタは解凍後に外しても大丈夫ですが、あらかじめとっておく方が効率的でおすすめです。

冷凍梅を使ったシロップで〈スピード梅酒〉をつくろう!

冷凍梅を使うことで、完成までの時間はググッと短縮されました。でも今回はどうしても「その日にうちに飲める」ことにこだわりたい!

なんとかいい方法はないかと調べてみましたが、漬け込み方式の場合、その日のうちには出来上がらないことがわかりました(涙)。本来は手間ひまかけてつくるものなんだから、ま、そりゃあそうなんですけどね……。

気を取り直して調べていくと、漬け込みの梅酒をつくるのは無理ですが、先ほど紹介した冷凍梅を使って梅酒の割材になるシロップをつくる方法がありました! めげずにそっちにも挑戦したいと思います。

【冷凍梅シロップのつくり方】
<材料>
冷凍梅…500g
砂糖…500g(砂糖はどんなものでもOK!)
水…1ℓ

<つくり方>
①鍋に冷凍梅。砂糖、水を入れて火にかける
②沸騰してきたら弱火にかえ、10分~15分ほど煮込む
③煮込み終わったら粗熱をとり、容器にうつす。冷蔵庫で冷やしたら出来上がり!

ここがポイント!

砂糖はどんなものでもOK!ご自宅にあるものを使いましょう。今回は黒糖を使いました。それから梅は酸が強い食材なので、煮込みにはホーローかステンレスの鍋を使用するのがオススメです。

冷凍梅シロップ×黒糖焼酎〈朝日〉でつくるスピード梅酒

さてできあがった梅シロップ! 今回、シロップ作りの材料に黒糖を選んだのは、シロップと焼酎の味のシンクロ率を上げたかったから。そう、合わせるのは黒糖焼酎。朝日酒造の黒糖焼酎〈朝日〉で試してみます!
ちなみに黒糖焼酎を選んだのは、黒糖の甘さと梅の風味の相性のよさから。もちろん、芋や麦など、お好きな原料・銘柄を選んでもOKです。

できあがった梅シロップ、〈朝日〉、そして炭酸水を1:1:2の割合で混ぜ合わせます。色合いは梅酒そのもの。煮込み終わった梅も入れてみたら、さらにそれっぽくなりました! さっそく飲んでみると……、甘くておいしい~〜!! しっかりと梅の味も滲み出ていて、これは完全に、知っているいつもの梅酒の味がします!黒糖と〈朝日〉のマリアージュもなかなかうまくいきました。甘くてクセもなく、とても飲みやすいのであまりお酒が飲めないという方にも楽しんでもらえそうです!

さらに時短&ラクを極める!電子レンジでつくる〈超!スピード梅酒〉。

冷凍梅酒を使ったスピード梅酒づくり、けっこううまくいったなあ。満足していたところ、なんともっと早く、もっとラクに梅酒をつくる方法をみつけてしまいました……。

それが電子レンジを使う方法! 最近、炊飯やパスタを茹でたりといった作業を電子レンジ加熱で行うライフハック、多いですよね? ちょっとしたコツをつかめば、レンジ加熱で梅をやわやわにできるんです。これならば、冷凍している間の待ち時間や、鍋をことこと火にかける手間すらも省けてしまう。そんな「超速スピード梅酒」のつくり方はこちらです。

【レンチン梅シロップのつくり方】
<材料>
・梅(熟したもの)…200g

<つくり方>
① 梅を電子レンジ可のボウルに入れ、ラップをする
② 600Wで1分40秒(500Wの場合は2分)加熱する
③ ラップを少し開け、梅の果汁だけをこしながら別容器に移す
④ ②③の作業を5~6回繰り返す

ここがポイント!

レンチン梅シロップの最大のポイントは完熟梅を使うこと! 青梅を使うと、えぐみや苦味が出てしまうので注意しましょう。短時間レンジにかけては汁を濾すを繰り返し、実が弾けて完全に汁が出なくなったらおしまいです。濾す時にはコーヒー用のドリッパーを使うとラクにろ過できます。この方法だと、200gの梅から、およそ80mlの梅シロップが取れます。

レンチン梅シロップ×黒糖焼酎〈朝日〉でつくる超!スピード梅酒

先ほどの冷凍梅シロップとの味わいを比較したいので、こちらも黒糖焼酎〈朝日〉を使って梅酒をつくってみました。こちらのレンチンシロップは、砂糖を一切加えていないので、梅本来の味を楽しめるのではないかと期待しています。
グラスに炭酸と〈朝日〉を3:1の割合で合わせ、そこに小さじ1杯のシロップを加えれば、〈超!スピード梅酒〉の完成です!  梅をレンジにかけてから完成までたったの30分。本当に手軽であっという間にできるので、ぜひみなさんにも試してほしい!
味の方はというと、いわゆる梅酒とは全く違う、さっぱりとした梅の酸っぱさを楽しめます。シロップとの対比で〈朝日〉のあま~い黒糖の香りがグッと立ち上がってきくるのもめちゃくちゃいい! かなりバランスよくお互いの味を引き立てあっています。もしかすると今まで出会ってきた飲み方の中で黒糖焼酎の魅力を一番引き出せる飲み方かも……。炭酸との相性も抜群で、まさに暑い季節にもってこいの梅酒に仕上がりました!
ちなみにこのシロップ、梅の酸っぱさがギュギュギュッと濃縮されているので、入れ過ぎには要注意ですよ!!!

つくったその日に飲める!今年はスピード梅酒がいい!

手間暇かけるのを面倒くさがって、即席で梅酒をつくる方法はないかと思って調べてみたら、こんなにも簡単にできて、しかもとってもおいしい梅酒をつくる方法にたどりつくとは思ってもみませんでした。こんなに手軽にさっぱりとした自作梅酒が飲めるなんて最高じゃないですか?ジメッと暑いこの季節にぴったりなスピード梅酒、皆さんもぜひ試してみてください。

今回使用した焼酎
朝日酒造〈朝日〉30度

奄美群島の東に位置する喜界島にある朝日酒造。蔵の名をそのまま銘柄に冠した〈朝日〉は、創業から100年以上つくり続けている代表銘柄です。口の中に豊かに広がる黒糖の濃厚な甘さと、キレのある後味が特徴的な1本です。アルコール度数は30度と少し高め。伝統的な黒糖焼酎ならではのコクを存分に楽しめます。

朝日
【黒糖焼酎】
度数 30度
原材料 黒糖(国内製造)、米麹(タイ産米)
蒸留 常圧
容量 720/1800ml

蔵元 朝日酒造 WEB→
所在地 鹿児島県大島郡

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