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東京島酒の魅力を堪能!「東京ISLANDS SPIRITS 試飲体験交流会 2024」レポート

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東京島酒の魅力を堪能!「東京ISLANDS SPIRITS 試飲体験交流会 2024」レポート

Text & Photo : Kaho Matsumoto

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「焼酎といえば九州」という印象を持っている方も多いかもしれませんが、八丈島や三宅島など東京の島酒も知れば知るほど魅力的な焼酎です。2月25日に開催された伊豆諸島・小笠原諸島の島酒のイベントでは多くの来場者がその魅力に酔いしれていました!

「東京島酒」の魅力を知ることが出来るイベント

「東京ISLANDS SPIRITS 試飲体験交流会 2024」は12酒造メーカー、14種の島酒の飲み比べができるイベントです。12:30~と16:00~のそれぞれ120分入れ替え制で定員は各部 50名。当日は7蔵元の杜氏が参加し、おすすめの飲み方や魅力を説明しながらお酒の試飲を提供してくれました。こうした焼酎イベントは増えてはいるものの、伊豆諸島・小笠原諸島の杜氏さんにお会いできる機会はかなりレアです!

料金は3,000円で、焼酎は利き酒し放題、おつまみも1人1皿ワンプレートで提供されました。

八丈島の長田商店の「くさや」は全国水産加工品質総合審査会で東京都知事賞を受賞したもの。ほんのり独特の香りはしますが、柔らかくて食べやすく、何より焼酎に合う!

八丈島の大竜ファーム「うみかぜ椎茸」の焼き浸しは炭火でレアに焼き上げてあわ醤油に浸したもの。優しい味がしました。

豚バラを島唐辛子を混ぜた塩麴に漬け込み、低温調理した自家製スモークベーコンは後味の唐辛子のピリッとした辛さがたまりません。

最も筆者が好きだったのは「明日葉バター」。明日葉とは独特の苦みを持つセリ科の植物。その明日葉とにんにく、カシューナッツをバター・クリームチーズ・ブルーチーズと共に混ぜ合わせたものなのですが、そのまま食べてもバケットにつけても最高にアテになります。

伊豆諸島・小笠原諸島の杜氏さんと会える!

まずは参加している杜氏さんの自己紹介から始まりました。それぞれの島の魅力や焼酎造りのこだわりについて短くお話くださったのですが、すでに興味津々!「1人で焼酎造りをしているの?!」「そんな製法があるの?」と聞きたいことがどんどん出てきます。

自己紹介が終了すると、会が開始しました!早速気になる杜氏さんのもとへ向かいます。会場内には水・ソーダ・お湯などが自由に使えるようになっており、好きな飲み方で楽しむことができるようになっています。

本イベントではそれぞれのお酒を試飲するとシールがもらえる「シールラリー」スタイルでした。6つ以上のお酒を飲むと抽選に参加でき、島の特産品が当たる(はずれなし)とのこと!これは嬉しい!

会場内にはそれぞれの島の名産品も展示されていました。

杜氏さんと近い距離で気になったことが気軽に話せる

まずお話を聞いたのは「有限会社おくやま」の奥山さん。式根島で芋焼酎「地鉈」を作っています。今回のイベントについて、「コロナが明けてこのようなイベントができるようになってとても楽しい!」と嬉しそうに話してくれました。式根島といえば歌手の宮川大聖さんが若者から絶大な人気を誇っていますが、彼に興味を持って島に移住、そして有限会社おくやまで焼酎づくりを始めたスタッフもいるのだそう。そうしたきっかけで島に興味を持ち、そして焼酎づくりに参加する方もいらっしゃるのは嬉しいですね。ちなみに奥山さん曰く「宮川くん(の実家)はうちの隣だよ」とのこと(笑)。

続いては八丈島酒造の奥山さん。「今後はぜひ九州の蔵の方とも交流をして、それぞれの進んでいるところ・遅れているところを共有し合って良い焼酎造りに活かしていきたいですね」と展望を話してくれました。

代表銘柄の芋焼酎「江戸酎」をお湯割りで頂いたのですが、芋焼酎をお湯割りした際にある臭みが全くなく、むしろ華やかな味わいであることにびっくり!3年以上熟成させていることで雑味や粗々しさが取れ、飲みやすく華やかになるのだそう。

八丈興発株式会社の小宮山さんも発見!お手伝いをしていたのは飲食店を経営する農山さん。農山さんは現在、八丈島のレモンを使ったリキュールを製造しています。

「麦冠情け嶋」にハマっている筆者ですが、今回頂いたのは「情け嶋」。水割りでもほうじ茶割りでも、そして柑橘類をちょっと絞ってもOKの「掛け算できるお酒」としての魅力をアピールしていました。確かに味わいは全く異なるので、それぞれシーンや気分に応じて飲み分けたいですね。

八丈島は豊富な軟水に恵まれていることから焼酎蔵が多いのだそう。島では「ミネラルウォーターより水道の蛇口をひねって出てくる水の方が美味しい」と言われるほど!

密かに人気だったのは小笠原ラム・リキュール株式会社の「小笠原パッションフルーツリキュール」。焼酎をたくさん試飲した方がふと飲むとその酸っぱい爽やかさに癒されるようで、「うわ、なんだこれ美味しい!」という声が多くあがっていました。

会の終盤には蔵元さんと酒販店が東京島酒の魅力を語るトークセッションも開催。

会場はかなり熱気に包まれ、120分はあっというまに過ぎていきました。他の焼酎イベントと比べ若い方や女性が多かった印象。

参加していた若い男性は「焼酎といえば宮崎とか鹿児島のイメージでした。東京の焼酎は今日初めて飲んだのですが、特にあおちゅうが独特のクセがあって他にはない味わいを感じました。これからは注目していきたいですね」と感動したことを教えてくれました!

抽選会ではまさかの全員当選?!

会の最後にはシールラリーの抽選会の結果発表が。想像以上にかなり多くの当選者がいるな……と思っていたらハズレなしなので全員が何かしらもらえた様子!

筆者もあしたば蕎麦をもらいました!どんな味か楽しみです。

独特の文化がある伊豆諸島・小笠原諸島の焼酎造りは「もっと知りたい」と思わせる魅力がありました。まだまだ認知度には課題がある東京島酒ですが、今後このようなイベントが増えてくると良いなと思います!

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