全国各地の熟成焼酎でハイボールを試し、ベストなペアリングやちょい足しアイテムを紹介する熟成焼酎ハイボールスコアブック。14回目となる今回は、ついに九州を離れ、向かうは東京・八丈島! 八丈島では「島酒」や「八丈焼酎」の愛称で親しまれ、麦麹とさつまいもを掛け合わせた銘柄が多くつくられています。なかでも八丈島酒造による熟成芋焼酎〈江戸酎〉は、麦麹の爽やかさと、フルーティなさつまいもの香りがたっぷりと感じられる贅沢な芋焼酎です!
About the Shochu: 熟成焼酎〈江戸酎〉のこと
芋焼酎〈江戸酎〉をつくるのは、東京都八丈島に蔵を構える八丈島酒造。島にある4つの焼酎蔵の中で最も歴史の長い蔵元です。江戸時代、島流しの地でもあった八丈島に焼酎づくりを伝えたのは、鹿児島から密貿易の罪で島に渡った薩摩藩御用商人「丹宗庄右衛門(たんそうしょうえもん)」でした。当時、八丈島では米が不作で、さつまいも栽培を奨励していました。そこで丹宗庄右衛門は、鹿児島から蒸留機を取り寄せ、島のさつまいもで芋焼酎をつくったそう。その製法を島の人々に伝えたのが、八丈島の焼酎の始まりと言われています。
現在では芋焼酎に限らず、麦焼酎や芋と麦のブレンドなどラインナップも豊かな八丈島の焼酎。なかでも〈江戸酎〉は、八丈島産の白黄色芋系、紫色芋系、橙色芋系すべての種類のさつまいもと麦麹で仕込み、3年熟成した贅沢な一本です。麦麹の香ばしさと、さつまいもの果実感あふれる味わいとのバランスが絶妙です!
Good Portion:〈江戸酎〉の焼酎ハイボールのベストな割合
栓を開けた途端に芳しい甘い香りが立ち込める〈江戸酎〉。まずは焼酎 5:炭酸水5からスタートします! グラスを近づけるとまず香るのは、ハチミツやフルーツを思わせるまろやかな香り。その奥に紫芋由来のヨーグルトのような酸味のある香りを感じます。この複雑な香りは〈江戸酎〉の大きな特徴ですね。
焼酎6:炭酸水4で割ると、よりこのかぐわしさが引き立つハイボールに。さつまいもの甘やかさはしっかりと、濃厚な味わいが広がります。食事に合わせる時は、5:5が飲みやすくベスト。〈江戸酎〉ならではの、華やかな香りとスッキリとした後味が楽しめますよ!
熟成焼酎ペアリング:〈江戸酎〉と合わせたいおつまみ
ほんのりと酸味もある〈江戸酎〉に合わせたいのは、さっぱりとした酢の物。ハイボールにすることでお互いの酸味が引き立て合って、爽やかな味わいが倍増します。
鉄板はわかめの酢の物。わかめのミネラル感と〈江戸酎〉の豊かな味わいが絶妙なマッチングです。大根と人参の酢の物や春雨の酢の物は、〈江戸酎〉のヨーグルト香がぴったりと合い、熟成焼酎特有のまろやかさが酸味をほどよく包みます。
数ある酢の物の中でも特におすすめしたいのが、きびなごの南蛮漬け! 麦麹のほどよい香ばしさが魚のくさみをきれいにマスキングするのか、柔らかな風味が口の中を包み込みます。後味にはさつまいものフルーティな味わいがすっきりと残る、箸が止まらないペアリングです!
Add on: ちょい足し! 邪道といわれたってやってみてほしいおススメの飲み方
さらにコクのある酸味が楽しめる! フルーツ黒酢ハイボール!
今や健康ドリンクとして定番のフルーツ黒酢。内蔵脂肪の燃焼を助ける効果があるので、ダイエット目的で飲んでいるという人も多いはず。リンゴ黒酢やブルーベリー黒酢、ざくろ黒酢など、スーパーに行けばバラエティ豊かな商品が手に入る手軽さも魅力です。
しっかりとした酸味はもちろん、フルーツ由来の旨味があるフルーツ黒酢は、〈江戸酎〉のヨーグルト香と相性抜群! 焼酎1:フルーツ黒酢1:炭酸水3で割れば、酸味×酸味で爽やかさは倍増、黒酢の深いコクが〈江戸酎〉の複雑な香りをキュッとまとめてくれます。
クエン酸たっぷりで疲れも癒やしてくれるフルーツ黒酢ハイボール。さすがに朝の一杯に……とはいきませんが、疲れた日の一杯にぜひ飲んでもらいたい、飲んべえの身体に優しいハイボールです♡
Rating スコア
酸味のある爽やかな香りを持ちながら、さつまいも特有のコクも持ち合わせる〈江戸酎〉。熟成を経て口当たりもまろやかなので、焼酎初心者でも飲みやすい芋焼酎です!
酸味のある香り ★★★★★
飲みやすさ ★★★★☆
アルコール感 ★★★☆☆
八丈島産のさつまいものみを使用しているため、生産本数は少なめの限定焼酎。気になる方はお早めに購入を!