
4回目を迎える「酒屋が選ぶ焼酎大賞」授賞式が7月23日に開催されました。全国の酒販店が本気でおすすめしたい焼酎が選ばれるものですが、今年は連覇やダブル受賞も!どの銘柄が選ばれたのか、授賞式の様子をお届けします。
「酒屋が選ぶ焼酎大賞」とは

「酒屋が選ぶ焼酎大賞」は、焼酎や泡盛を取り扱う全国の酒販店が中心となり毎年開催しているイベントで、今年で4年目となります。酒販店が「ぜひお客様に味わってほしい」と思う焼酎や泡盛を1本ずつ推薦し、集まった銘柄をブラインドでテイスティングして審査を行います。その中からその年の1番おすすめの1本を決めるもので、今年は全国から110の酒販店が参加。芋、麦、米、黒糖、泡盛の5つの部門で、合計223銘柄がノミネートされました。各部門につき、大賞1銘柄、優秀賞2銘柄合わせて3銘柄を選出しています。

今年からは審査の公平性と信頼性をより高めるため審査方法を一部見直し、最初に実行委員を中心とした指定酒販店による一次審査を実施。あらかじめ全体の中からおよそ6割の銘柄を選出しました。その後、選ばれた135銘柄を対象に本審査を行い、2段階の選考を経て各部分の受賞銘柄を決定しています。

実行委員長の酒舗まさるや園部将さんは、「今年で4回目になりますが、3回目まではで芋焼酎部門で若潮酒造の『GLOW EP05』が3年連続で大賞を受賞し、初の殿堂入りとなりました。今年はまた新たなスターの誕生が予想されます。焼酎業界にも徐々にいい風が吹いていると思っております。作り手・売り手・飲み手が一致団結して焼酎業界を盛り上げていきましょう」と開会宣言。
芋焼酎部門大賞は千本桜 熟成ハマコマチ (柳田酒造)
芋焼酎部門では最多となる55銘柄がノミネートされました。

優秀賞に選ばれたのは高良酒造の「八幡」。第3回でも優秀賞に選出され、2年連続での受賞となりました。高良酒造の高良武英さんは、「去年に引き続き、優秀賞を頂きましてありがとうございます。去年この場に立っていたのは私の弟の信彦でしたが、残念ながら今年の3月に急な病のため急逝いたしました。残念ながらこの焼酎が弟と共に作った最後の焼酎となってしまいました。『八幡』は昔から地元で飲まれてきた普段のお酒でございます。是非、皆さんも普段の象徴として味わってください」とお話されました。

もうひとつの優秀賞は、西酒造の「富乃宝山」。こちらも第2回で優秀賞に選出されており、今回が2回目の受賞となりました。西酒造の有馬健晃さんは「『富乃宝山』は来年で30年目を迎える商品です。ロックでうまい焼酎を作りたいという一心で生まれました。毎年ブラッシュアップをしながら毎年うまさを求めて挑戦し続けています。“挑戦とは、情熱を誇り、執念を持って取り組むもの”ということを西陽一郎社長から教わりました。これからも、うまさを磨いて挑戦していきたいと思っております」とコメントされました。

大賞に選ばれたのは柳田酒造の「千本桜 熟成ハマコマチ」。柳田酒造の柳田正さんは「大賞という名誉をいただき、これ以上の喜びはございません。近年、焼酎を取り巻く環境は大きく変わってまいりました。ずっと焼酎を愛してくれた方々だけでなく、これから焼酎を知った若い世代の方もイベントや蔵元に足を運んでくれるようになりました。風向きの変わった今だからこそ、これからもギアを上げ、さらに磨きをかけて新しい市場を開拓していきたいと思います」と喜びを語りました。
麦焼酎部門大賞は麦冠 情け嶋 (八丈興発)

麦焼酎部門では全52銘柄がノミネートされました。優秀賞を受賞したのは、藤居醸造の「特蒸泰明」。藤居醸造は第2回では「新焼酎 特蒸泰明」で大賞&「特蒸泰明」で優秀賞、第3回では「舞香」が優秀賞を受賞と3年連続の受賞です。藤居醸造の藤居淳一郎さんは「この賞を頂くことができたのは、消費者の皆さん、そして小売店の皆さんのおかげです。これからも皆さんのご期待に応えられるよう頑張ってまいりたいと思いますし、蔵のみんなも頑張ってくれて本当に感謝しております!」と笑顔で語りました。

同じく優秀賞を受賞したのは、西吉田酒造の『初潮』。西吉田酒造は今年初めての受賞です。西吉田酒造の吉田元彦さんは「実はこの酒屋が選ぶ焼酎大賞というのは私にとって大変憧れでございまして、初めての受賞に大変感激しております。麦焼酎は焼酎の中でもマイナーな存在にだんだんなってきていると思いますが、その中でも特徴のあるものを作りたいと思ってまいりました。今回受賞できて大変喜ばしいです。これからもファンの方に向けて様々なお味を提供していければと考えております」と話しました。

大賞に選ばれたのは八丈興発の『麦冠 情け嶋』。2年連続の大賞受賞ということで、八丈興発の小宮山善友さんは「東京から南に300キロのところにある八丈島から来ました。昨年に続きまして2年連続の大賞受賞ということで、本当に嬉しく思っております。昨年は酒屋が選ぶ焼酎大賞に加えまして、GI東京島酒の取得、年末には伝統的酒造りがユネスコの無形文化遺産に登録されるなど、いま非常に追い風を感じております。飲んだことがない方にも飲んでいただける機会が増えることを願っています」とコメントしました。
米焼酎部門大賞は天草 純米焼酎 (天草酒造)

米焼酎部門では51銘柄がノミネート。優秀賞には高田酒造場の「あさぎりの花」が選ばれました。「あさぎりの花」は第2回でも優秀賞に選出されており、今回が2回目の受賞。高田酒造場の高田恭奈さんは「このような素敵な賞をまたいただくことができて大変嬉しく思います。前回受賞した後に、“こんな焼酎があったんだ”と多くの方に知っていただく機会になりました。2度目の受賞は私たちにとって励みになります。社長を含めて5人で全ての工程を行っておりますので、まだまだ作れる量が少なかったり、営業が足りてなかったりしていただける機会っていうのは少ないと思うんですけれども、この賞を受賞したことをきっかけにさらに発信することができたらいいなと思います」と話しました。

もうひとつの優秀賞は天草酒造の「特酎米製 天草」。さらに大賞には同じく天草酒造の「天草 純米焼酎」が選ばれました。天草酒造は同じく第3回でも「特酎米製 天草」が大賞、「天草 純米焼酎」が優秀賞を受賞しています。

1つの蔵が2年連続同じ銘柄で大賞と優秀賞の両方を受賞するのは今回が初めてということで、天草酒造の平下豊さんは、「調子に乗りそうな気持ちを抑えています(笑)。父が“流れには乗っても調子には乗るな”といつも言っておりますので、ここはちゃんと真面目な挨拶をしたいと思ってます」と会場を沸かせました。そして、「これはほんとにマジで、普段頑張ってくれるスタッフの皆さんのおかげです」と話し、「今回選ばれた純米焼酎は、ほぼ天草町内で消費している焼酎でございまして、48年前に私が生まれる時に親父が満を持して作ったものです。お父さんとお母さんにありがとうと言いたいと思います」と喜びを語りました。
黒糖焼酎部門大賞は朝日 甕壺貯蔵 (朝日酒造)
黒糖焼酎部門では30銘柄がノミネート。優秀賞のひとつは山田酒造の「あまみ長雲 一番橋」でしたが、今回は残念ながら来場が叶いませんでした。

もうひとつの優秀賞は原田酒造の「昇龍 GOLD」。原田酒造の重信洋平さんは「心から嬉しいです。私たちは鹿児島からおよそ522キロ離れた小さな沖永良部島で焼酎造りをしています。清らかな硬水を使い、黒糖も溶かさずにそのまま直接投入をしています。『昇龍 GOLD』は“もう少し長い時間寝かしてみよう”と、試行錯誤をしながら誕生しました。黒糖焼酎はまだまだ焼酎の中でも知られていないかもしれませんが、もっと広げていけるチャンスがたくさんあると思っております。ぜひともご期待ください」と意気込みを語りました。

大賞は朝日酒造の「朝日 甕壺貯蔵」。朝日酒造は第1回では優秀賞・第2回では大賞と優秀賞・第3回では大賞を受賞し、初回から4年連続で大賞&優秀賞に選出され続けている唯一の蔵です。朝日酒造の喜禎浩之さんは「4年連続での受賞ということで、大変ありがたいです。ただ、うちの場合は毎回銘柄が違うんですよね(笑)。今回賞をいただきました『朝日 甕壺貯蔵』は代表銘柄『朝日』の古酒で、15年から20年ぐらい寝かせた古酒を甕で5年以上寝かせた銘柄でございます。レーズンのような、ドライフルーツのような非常に甘い風味がします。もちろん焼酎ですので、甘いといっても糖質、プリン体は0でございますので、安心して飲んでいただけたらと思います」とアピールしました。
泡盛部門大賞は春雨 ゴールド (宮里酒造所)

泡盛部門では35銘柄がノミネートされました。優秀賞は、瑞泉酒造の「御酒うさき」。瑞泉酒造は第3回でも「尚 瑞泉 SHO ZUISEN」で優秀賞を受賞されました。瑞泉酒造の佐久本学さんは「気温30度、東京よりちょっと涼しい沖縄からやってまいりました」と笑わせたあと、「『御酒うさき』は菌に合う低温発酵でできあがったお酒です。香りもフルーティーで今までの泡盛とは違う、と飲んだ方からは評価頂いています。泡盛を売っている酒販店さんからも評価頂けたことはとても誇りに思います」と喜びを語りました。

もうひとつの優秀賞は宮里酒造所の「春雨 マイルド25度」。さらに「春雨 ゴールド」が大賞を受賞しました。宮里酒造所の宮里徹さんは「この場は何度立っても緊張します。しかしこんな嬉しい日はありません。“古くも 香り高く 強くも まろやかに からくも 甘い酒 春雨”、これが春雨の酒質の全てでございます。どんなに古酒であっても香り高く色があって華があって引退しないお酒・現役のお酒でありたいと考えています。さらに常用するお酒ですので、度数が高いんですけどもその度数をあまり感じないようなお酒に仕上げています」と話しました。

授賞式終了後、実行委員長の酒舗まさるや園部将さんに第4回を迎えた感想をお聞きすると、「今回からは選考方法を少し変えました。これまでは200種類以上を1つずつ試飲しているとかなり時間がかかってしまい、集中力が続かない現状もありました。しかし今回からあらかじめ6割ぐらいの銘柄に絞ることで、ほぼ全部の銘柄を審査員全員が飲むことができ、その分より良くなったと思います。新しい銘柄が選ばれたり、連続受賞の蔵があったり、いろんな形で焼酎が変わりつつあるんじゃないかなと感じました。これからも次につなげていきたいですね」

おなじみの焼酎の受賞に嬉しくなったり、新しい焼酎に出会えたりと心を揺さぶられる「酒屋が選ぶ焼酎大賞」。まずは受賞した焼酎を少しずつ味わって楽しみたいですね。そして来年以降もどのような焼酎に出会えるか楽しみです!

