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7月のおすすめ焼酎|サマーボトルと熟成銘柄を飲み比べ!
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そろそろ来ちゃいますね…夏が。暑い・暑い・暑い夏が! うだるような夏にこそ焼酎がオススメって言ったらちょっと驚きます? 実は焼酎は、古くは夏のお酒として親しまれてきたようです。俳句でも「焼酎」は夏の季語なのだとか。少し強めのお酒をグイッとやって暑気払いを、という気持ちはお酒好きにはわからなくもないですね。
そんなわけで今月は、夏にぴったりの焼酎を探してきました! 最近じわじわと広がっている夏限定焼酎は、ボトルもブルーや透明で涼感たっぷり。その多くが通常の銘柄より少しアルコール度数を落とした20度前後の設定で、ロックやソーダ割りに合うさわやかな飲み心地なのも特徴です。熟成焼酎に力を入れている蔵元による夏の限定焼酎3本に加え、各編集部員が一押しの熟成タイプも紹介します。ひとつの蔵元を飲み比べるのは、焼酎の楽しみを知る絶好の機会。いい焼酎を(適度に)飲んで、常夏を元気に乗り切りましょう!

[今月のおすすめ 01]夏焼酎と熟成焼酎を飲み比べ |渡邊酒造場

「ブルーボトルに、ペンギンの切り絵がかわいい白ラベルという、部屋に置いているだけで涼し気な〈夏のまんねん〉が、私の今月のおすすめ。ルックスだけでなく、飲めば柑橘の香りがいっぱいに広がって、キレもいい! 暑い日に欠かせない一本です。クラッシュ氷をたっぷり入れたグラスでロックでもいいし、ボトルごと(できればグラスも!)冷蔵庫でキンキンに冷やして、ストレートかソーダ割りもいいですね。
柑橘っぽい味わいの秘密は、蔵元が自社栽培する”ダイチノユメ”というサツマイモ品種。コガネセンガンなど、一般的な焼酎用のサツマイモに比べて、「リナロール」というスズランやラベンダーのような香り成分が多いのだそうか。(焼酎の香り成分にいま興味津々なのでいつか記事にしたい……!)

蔵元は宮崎県の渡邊酒造場。原料芋の栽培から蒸留・瓶詰めまですべて蔵の人々が手がけるスモールディスティラリーです。同じ蔵元からもう1本、麦の香ばしさと熟成のまろやかさが重厚なハーモニーを奏でる〈旭万年 原酒〉をおすすめ。麦焼酎らしさともいえる、ちょっと尖った感じの苦味が熟成によって落ち着き、むしろほのかな甘味を感じます。暑い時期なら、ソーダ割りやロックにレモンやすだちなどで柑橘の香りを足すのもよさそう。こちらの原酒は昨年、9年ぶりに発売されて話題になった限定商品。売り切れのお店も多いのですが、ネットで探すと少し残っているようです。見つけたら即購入をおすすめします!」(編集部SA)

夏のまんねん
【芋焼酎】
度数 20度
原材料 さつまいも・米麹
蒸留 常圧

蔵元 渡邊酒造場  WEB →
所在地 宮崎県宮崎市
旭万年星(あさひ まんねんぼし)原酒
【麦焼酎】
貯蔵 3年以上
度数 40度
原材料 麦・麦麹
蒸留 常圧

蔵元 渡邊酒造場  WEB →
所在地 宮崎県宮崎市

[今月のおすすめ 02]夏焼酎と熟成焼酎を飲み比べ|ゑびす酒造

「濃厚な麦の香ばしさが好きな、いわゆる“麦チョコ”系焼酎好きの人に、一度試してほしいのが米麹を使用した麦焼酎。というのも、麦チョコ系焼酎の多くは麦麹を使っているのですが、米麹で仕込んだものは麦の香ばしさに、こっくりとしたまろやかさが加わっているから。奥行きのあるまるい味わいで、より焼酎らしさが出る印象なんです。麦焼酎が好きならば、麦麹、米麹と飲み分けてみるのもいいですよ! 麹が焼酎の味の決め手になることがよくわかります。

福岡県のゑびす酒造は、米麹を使った麦焼酎を最低6年以上熟成させた”らんびき”シリーズが知られる蔵元。清涼感ある味わいを実現した夏の限定酒〈熟爽ゑびす蔵〉にも、10年古酒を中心としたブレンドとするなど熟成への情熱は類をみない造り手です。この限定酒は、さっぱりしているのに余韻もしっかりあって、スパイスを使った料理にも抜群に合う! この蔵からのもうひとつのおすすめとして〈らんびき GOLD〉をピックアップ。定番商品の〈らんびき 角〉は6年貯蔵ですが、こちらは10年貯蔵。甘みのある香りが一層豊かになり、上質の洋酒のような濃厚さを感じます。寝苦しい夜のお供に、ロックでちびりと飲むのもよさそうです。夏はついついビールやハイボールなどを飲みすぎがち。ずいぶん大人になってきたし、今年は強めのお酒を少々っていうスタイルもいいかなあと思ってます」(編集部D)

熟爽ゑびす蔵
【麦焼酎】
貯蔵 10年以上を中心に年数の異なる熟成をブレンド
度数 20度
原材料 麦・米麹
蒸留 常圧

蔵元 ゑびす酒造  WEB →
所在地 福岡県朝倉市
らんびき GOLD
【麦焼酎】
貯蔵 10年
度数 42度
原材料 麦・米麹
蒸留 常圧

蔵元 ゑびす酒造  WEB →
所在地 福岡県朝倉市

[今月のおすすめ 03]夏焼酎と熟成焼酎を飲み比べ|弥生焼酎醸造所

「じめじめと蒸し暑い日には、ほんのり甘く、後味爽やかな黒糖焼酎がぴったり。ソーダで割ればグビグビ飲めるハイボールになるし、ロックで飲めば甘やかな味わいをしっかり感じられるし。しかも、こんなに風味豊かなのに糖分・プリン体ゼロ! 蒸留酒ってすごい。

夏の1本として今月僕がおすすめするのは、奄美大島の弥生焼酎醸造所がつくる〈碧い海 20度〉。20度と低めのアルコール度数と、甕で約1~2年寝かせた軽めの熟成感で、喉越しはスッキリ。黒糖焼酎としては珍しく、黄麹を使って仕込んでいて、深みのある香りと旨みが後味にしっかりと残ります。ハイボールはもちろん、そのまま冷やしてロックでも楽しめる夏限定の黒糖焼酎です。〈まんこい〉でよく知られる弥生焼酎醸造所は、樽や甕を使った熟成焼酎も多く揃える蔵元。もうひとつのおすすめ〈弥生ゴールド〉は、樫樽で3年以上熟成させた芳醇な香りが立つ、蔵のフラッグシップともいえる黒糖焼酎です。その味わいはラムやブランデーにも負けないほど重厚。これは割るには少し贅沢すぎるかも……夏休みの真っ昼間に、ロックグラス片手に南国気分で楽しんでやろうと思っています!」(編集部K)

碧い海 20度
【黒糖焼酎】
貯蔵 甕貯蔵(1~2年)
度数 20度
原材料 黒糖・米麹(黄麹)
蒸留 常圧

蔵元 弥生焼酎醸造所  WEB →
所在地 鹿児島県奄美市
弥生ゴールド
【黒糖焼酎】
貯蔵 樫樽(3~5年)
度数 40度
原材料 黒糖・米麹(白麹)
蒸留 常圧

蔵元 弥生焼酎醸造所  WEB →
所在地 鹿児島県奄美市

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