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中野サンプラザでは最後の開催!「第22回本格焼酎ルネッサンスin東京」レポート

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中野サンプラザでは最後の開催!「第22回本格焼酎ルネッサンスin東京」レポート

Text & Photo : Kaho Matsumoto

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2023年4月9日、中野サンプラザにて「第22回本格焼酎ルネッサンスin東京」が開催されました。実は今年で中野サンプラザでの開催は最後となる本イベント。その様子をレポートしていきます!

本格焼酎ルネッサンスとは

本格焼酎ルネッサンスとは

「本格焼酎ルネッサンス」は九州を中心とした30蔵以上が集まるイベントです。会費は3,000円で、各蔵が持参した焼酎を試飲することができます。第一部(13:00~14:30)と第二部(15:00~16:30)の2部制で中野サンプラザの14階にある宴会場「クレセント」ルームにて開催されました。

本格焼酎ルネッサンス開始直前の様子

開始直前の様子です。宴会場の中にギュギュっと33蔵が集まっています。このような機会はめったにありませんから、かなり贅沢な感じがしますね。

3年ぶりの開催で前売り券は完売

3年ぶりの本格焼酎ルネッサンス開催で前売り券は完売

イベント開始後はこの大盛況!3年ぶりの開催ということもあり、待ちわびていた焼酎愛好家の方も多かったようです。一部と二部どちらも前売りチケットは完売、総勢320~330人ほどの来場者の方がいらっしゃったこともあり、会場はかなり熱気に包まれていました!一般の愛好家のお客様はもちろん、飲食店関係者の方も多くいらっしゃり、専門的な質問も飛び交っていたのが印象的でした。

各蔵イチオシの焼酎

各蔵イチオシの焼酎を試飲カップで楽しむことができます。基本はストレートですが、お願いすれば氷を入れてくれたり、ソーダ割りにしたりすることも可能。最初はそのままの香りと味わいを感じ、その後ソーダ割りにすることで味わいの変化を試すこともできました。

本格焼酎ルネッサンス会場内に用意された桜島の温泉水「寿鶴」

会場内には桜島の地下から湧き出る温泉水である「寿鶴」が用意されていました。

長崎県の久保酒造場

イベント中には順番に蔵元が一言ずつコメントをしました。自慢の焼酎のアピールをしたり、「3年ぶりの開催で皆さんに会えてうれしい」と喜びをにじませたりと、蔵元の個性が光ります。写真は長崎県の久保酒造場です。

注目の蔵元は……?

注目の蔵元は……?鹿児島県の佐多宗二商店の「XX晴耕雨読ジョイホワイト」

色々と試飲させていただき、個人的に気になったのは鹿児島県の佐多宗二商店の「XX晴耕雨読ジョイホワイト」。「カメレオン焼酎」と銘打ちパッケージにも様々なカラーを表しているとおり、ストレートで飲んだだけでも口のなかで七変化の味わいを感じることができました。お話を聞くと、ストレートorロックでは洋梨のような味わい、炭酸割りではマスカットのような味わい、そしてお湯割りでは焼き芋のような味わいと飲み方によっても変化するとのことで、全部試してみたくなりました。

豊永酒造の代表銘柄と季節限定商品

そして以前SHOCHUNEXTでも取材させて頂いた豊永酒造。代表銘柄と季節限定の商品のラインアップです。

豊永酒造常務の豊永遼さん

常務の豊永遼さんに話を聞くと、「このイベントには焼酎専門店(特約店)で取り扱われるような蔵元ばかりが集結しているので、なかなか一般の方が飲む機会がない焼酎も多くあります。しっかりとアピールして魅力を伝えたいですね。豊永酒造からはインパクトのある焼酎を中心に持ってきました!」とのこと。

「カルダモン テイク7」はスパイスカレー屋も運営している飲食店から『カレー屋でも出せる焼酎が欲しい』というオーダーを受け開発した商品。飲んでみると、まさにカルダモンの香りをふんだんに感じることができ、カレーと一緒に炭酸割りで飲むのにぴったり!豊永さんは「ジンやスピリッツを造る蔵も増えていますが、私はあくまで焼酎との組み合わせで勝負したいと考えています。米焼酎だけで出せないインパクトをカルダモンを使うことで実現しました。焼酎だけどスピリッツ的な面白さを楽しめる商品です」とそのこだわりを語ってくれました。

黒木本店・尾鈴山蒸留所 「山ねこ」など

続いては黒木本店・尾鈴山蒸留所。左から2番目の「山ねこ」は間もなく発売を予定している試作品なのだそう。

黒木本店・尾鈴山蒸留所 「百年の孤独」や「失われた時を求めて」

おなじみの「百年の孤独」や「失われた時を求めて」なども試飲することができました。

黒木本店・尾鈴山蒸留所 代表取締役の黒木信作さん

代表取締役の黒木信作さんは、「このイベントには長らく焼酎を応援してくれた愛好家の方が多く集まります。かなり専門的な知識を持った方が多い印象ですね。3年ぶりの開催ということで、その間に出た新商品をお披露目し、短い時間でも密に皆さんとコミュニケーションがとれたらと思います」とコメントしてくださいました。試作品も試飲できるとのことで、「消費者の方の反応を直に感じることができる機会はなかなかないので」と開始前から楽しみにしていらっしゃいました。

富田酒造場 「蔵和水 龍宮」など

続いては富田酒造場。「蔵和水 龍宮」は黒糖焼酎を蔵の仕込み水で前割りして瓶詰した商品。こちらを瓶ごと温めて燗のようにしたものを試飲することができました。

富田酒造場代表取締役の富田真行さん

代表取締役の富田真行さんは、「うちの蔵の焼酎は度数の高い銘柄も多いので、ジンやラムが好きな方にも訴求できればいいなと思っています」とイベントでの期待を語ってくれました。さらに、黒糖を食べてから黒糖焼酎の「まーらん舟」をストレートで飲むという「親子飲み」という飲み方も伝授!不思議とそれぞれの良さが引き立つような、魅力をさらに感じることのできる飲み方です。ぜひ家でもマネしてみたいと思います。

第22回本格焼酎ルネッサンスin東京の主催者、味ノマチダヤ専務取締役鶴見高寛さん

最後に主催者である味ノマチダヤ専務取締役鶴見高寛さんにもお話をお聞きしました。

「一般の人が蔵元の人と会う機会は滅多にありません。ですが、お酒は造っている人の話を聞きながら飲むのが一番美味いと思っています。本格焼酎ルネッサンスは『いまさらこういうことは聞けないな……』というようなことについても蔵元が丁寧に教えてくれるイベントです。今回で22回目ですが、今年6月で中野サンプラザが閉館することになり、この会場で開催するのは今年で最後となりました。来年以降も新しい会場を探して続けていきたいですね」

短い時間ながら、焼酎蔵元との交流や試飲など魅力がギュッと詰まったイベントだった「本格焼酎ルネッサンス」。ぜひ来年以降の開催も楽しみにしたいと思います!

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