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オーナーは20代の女性!東京・西荻窪で人気の立ち飲み居酒屋が『ゑびす酒造』の熟成焼酎を常備している理由とは?

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オーナーは20代の女性!東京・西荻窪で人気の立ち飲み居酒屋が『ゑびす酒造』の熟成焼酎を常備している理由とは?

Text & Photo : 酔街草

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JR西荻窪駅の真横に、ちょこなんと店を構えているのが『小鳥遊』だ。”西荻窪駅の南口を出て徒歩5秒!”という店の触れ込みもあながち嘘ではなく、小さな呑み屋が密集する高架脇迷宮への躙口(にじりぐち)と言っても過言ではない。

難読漢字や珍名に詳しい諸氏ならご存知かと思うが、「小鳥遊」と書いて「たかなし」と読ませる。”怖い鷹がいない間に小鳥が安心して遊べる”という意味らしく、謎かけのようで何とも風情のある名前ではあるまいか。

右側がオーナー店主の園田芽久(そのだ・めぐ)さん。左側が一昨年から社員スタッフに加わった荻野結衣(おぎの・ゆい)さん。ふたりは大学時代の同窓生なのだそう。

「店名を何にしようか、ひと月近くは悩みましたね。毎日、外を歩いて看板ばかり見ていました(笑)。気がついたら大学ノートに候補がびっしり!『小鳥遊』は何となく可愛いと思ったのと、デザイナーをしている高校の先輩からの勧めもあって、これって決めたんです」と話すのは、笑顔が素敵なオーナー店主の園田芽久(そのだ・めぐ)さんだ。

学生時代、吉祥寺「ハモニカ横丁」の立ち呑み屋や焼肉店でのアルバイト経験を通じて飲食業に興味を持ち、気がついたら自分の店を営むまでになっていた。

「立ち呑み屋さんの雰囲気とか、お客さん同士が交流している姿を見るのが好きなんです。もちろん、私自身お酒も大好きだし、この店をオープンさせる前は、大阪とか地方の立ち呑み屋さんを呑み歩きましたね。もちろん、西荻もですが、”西荻は人の街”って実感が湧いて、ますます好きになりました」

2021年7月7日の七夕の日に『小鳥遊』はオープンする。

ところが、新型コロナウイルス感染症の余波を受け、7月12日に緊急事態宣言が東京に発出されて、いきなり開店休業状態に陥ってしまう。幸いにも2カ月後には解除されたため、実質の開店となった秋頃からは徐々に常連客も増えて、繁盛店へと転身していく。

店内に入ってみてまず驚いたのは、すでに何年も営業を続けているかのような落ち着いたその雰囲気だ。どこか昭和の酒場を思わせる、木材の特長をそのまま活かしたカウンターや写真の貼られた壁が、居心地の良さを充満させている。園田さんをはじめ、従業員スタッフも全員20代と若いこともあって、この老舗感とのギャップが店の魅力を醸し出しているのかも知れない。

「らんびき」「けいこうとなるも」との遭遇!

熟成焼酎をソーダ割りする旨さを、もっと若い人たちにも伝えたい。

注目したいのが、酒類の豊富さと銘柄へのこだわりである。生ビールは首都圏・愛知県でのみ販売されている「白穂乃香(しろほのか)」を提供。瓶ビールも玄人好みの「赤星」と抜かりはない。日本酒は、カップ酒から全国の名だたる地酒まで幅広く用意され、何よりクラフト焼酎の品揃えが半端ではないのだ。

「日本酒は、たまたま常連のお客さんの中に有名な酒蔵で働いていた方がいらっしゃって、いろいろとアドバイスしてもらいました。焼酎なんですが、実は父方のひいひいお爺ちゃんが福岡の『ゑびす酒造』の創業者なんです。現在の田中(健太郎)社長は、父の従兄弟にあたるんですよ」と、園田さん。

なるほど、確かに『らんびき』や『けいこうとなるも』が、他の本格焼酎と一緒にさり気なく棚に並んでいるのにも納得が行く。

「でも、それを知ったのは大人になってからなんです。家にいつも『らんびき』が置いてあったので、お婆ちゃんにその理由を聞いてみたところ、親戚が造っているお酒だって。ええ、”今度お店を始めるので、よろしくお願いします”と挨拶に行って、『小鳥遊』にも常備するようにしました。田中社長も東京に来るたびに立ち寄っていただいて、”頑張れよ!”って励ましてもらっています。昨年は、念願の蔵見学にも行って来たんですよ」

*『ゑびす酒造』の記事に関してはこちらでもお読みいただけます。

本格焼酎好きを唸らせるラインナップが常備される。

おばんざい感覚の料理も楽しめる!

大皿料理はカウンターに乘せられる数だけを日替わりで提供。単品でもいいが盛り合わせで少しずつが楽しめる。
「本日のお晩菜」おまかせ3点盛(500円)、出汁巻き玉子(350円)、唐揚げ(2個290円)

もちろん、酒を引き立たせる肴の品々もなかなかのもの。カウンターの上に居並ぶ大皿から取り分ける”本日のお晩菜”が中心で、メニューの数はそれほど多くないものの、どれもこれも酒を進ませる品ばかり。”日替わり”の大皿料理目当てで、毎日のように通う常連客がいるというのも頷ける。

「西荻は独り暮らしの方も多いですから、肉や野菜のバランスが良くて季節感を活かしたメニューを心がけるようにしています。白いご飯も用意しているので、立ち呑み屋ですけど定食屋さんみたいに通って来る学生さんもいますよ(笑)」と、園田さん。

「たまに、漫画みたいな大盛りにして!って頼まれることもありますね(笑)」と、荻野さんも手振りを交えて相槌を打つ。

スタッフの年齢が若いからと侮ること無かれ。出汁巻き玉子の手早さといい、調理の腕前も確かなようで、かなりの研究熱心と見受けられた。将来は、”西荻の母の手料理”的存在になっているかも知れない。

厨房にはスタッフが交代しながら入って調理する。出来立ての出汁巻き玉子はフワフワで美味しい。

日本酒も日替わりで名酒が揃う!

日本酒やリキュール類も季節ごとの名酒を取り揃えている。仕入れ先は多摩市にある地酒の名門「小山商店」からと聞いて、ますます溜飲が下がる。

15〜16人も入れば、たちまち満員となってしまう『小鳥遊』の店内。深夜近くまで、入り口脇のカウンター前まで客が溢れているのはいつもの光景だが、一見客であれ常連客であれ、一度、会話を交わせば仲良くなれるのが呑兵衛の性(さが)というもの。

「西荻らしく、幅広い年齢層の方がいらっしゃいますね。最初の頃は男性が多かったのですが、今は女性も半々くらいかな? 皆さん、和気藹々と楽しんでいただけているようで、本当に毎日が楽しいです」

その楽しさの輪をさらに広げるべく、園田さんは阿佐ヶ谷に2号店をオープンさせることになった。

阿佐谷に2号店がオープン!

『小鳥遊』の2号店となる『日日夜夜(にちにちやや)』は、2024年5月6日にプレオープンし、6月6日にグランドオープンを迎える。

店はJR阿佐ヶ谷駅の北口から高架沿いを荻窪方向に細長く延びる「阿佐谷スターロード」の突き当たりに位置しており、居酒屋やバーなどが数多く集まる阿佐ヶ谷を象徴する呑み屋街の一画にある。

以前は『ドン・ツッキ』という洒落の利いた(確かに通りのどん突きにある!)名前のイタリアン・レストランだった場所で、鰻の寝所のような細長い店内はカウンターが左右に配置され、立ち呑みにはお誂え向きの空間となっている。

2階には二人掛けのテーブル席が3つほど有り、しっとりと呑むにはこちらがいい。窓越しにスターロードが臨める一番奥の特等席がお勧めだ。
もちろん、本格焼酎は『小鳥遊』と同じラインナップ。店の雰囲気的にはワインやスパークリングワインと言ったところだが、是非、ソーダ割りで楽しんで欲しい。
値段は『小鳥遊』と同じく、どれもリーズナブルな設定。
本日のおまかせ6点盛(1000円)
チーズのせ鶏詰めごはん(2人分850円)

目の前の大皿料理が売りの『小鳥遊』とは異なり、『日日夜夜』ではプレートに盛られたオードブルが、独り呑みサイズで提供される。西荻窪は”和”、阿佐ヶ谷は”洋”といった使い分けも楽しそうだ。

『小鳥遊』での実績を買われて『日日夜夜』の店長に就任した藤井勇太(ふじい・ゆうた)さん。しばらくは、園田さんが西荻窪と阿佐谷の両店を行き来するそうだ。

「2号店の候補は、同じ沿線で西荻窪からそう遠くない場所を条件に探しました。行ったり来たりする労力も考慮しないといけなかったし・・・。結果的にいい場所に物件が見つかって本当に良かったです」と、園田さんも嬉しそうに語った。

JR中央線沿線において『ゑびす酒造』の熟成焼酎が呑める店として、この2軒を覚えておいて損はない。どちらも駅近にあり、若いスタッフで常に活気に溢れているのも、たまらない魅力なのだ。

『小鳥遊』
住所:東京都杉並区西荻南3丁目25−5 とみやビル1F
アクセス:JR中央・総武線西荻窪駅北口より徒歩0分
営業時間: 平日17時〜、土日15時30分〜24時(終電頃迄)
公式サイトhttps://www.instagram.com/nishiogi_takanashi/
『日日夜夜』
住所:東京都杉並区 阿佐谷北2丁目-3-7
アクセス: JR中央・総武線阿佐ヶ谷駅北口より徒歩3分
営業時間: 16時〜24時(終電頃迄)
公式サイトhttps://www.instagram.com/mainichi_maiban/




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