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「ウイスキーフェスティバル2026 in 大阪」が開催!バラエティ豊かな蒸留酒の世界をレポート!

コラム

「ウイスキーフェスティバル2026 in 大阪」が開催!バラエティ豊かな蒸留酒の世界をレポート!

Text & Photo : Yuki Arai
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2026年6月26日(金)27日(土)の2日間、大阪・南港ATCホール(アジア太平洋トレードセンター)にて「ウイスキーフェスティバル2026 in 大阪」が開催された。

国内外から103のブースが集結し、2日間各3部にわたり約4,500名の蒸留酒ファンが来場。

本記事では、26日(金)17時〜19時半に開催された「プレミアムナイト」の様子をお伝えする。

ウイスキーを中心に103ブースが出展

2007年から開催されている「Whisky Festival」は、世界中のウイスキーが集まる大規模試飲イベントである。

103社が出展した各ブースでは、それぞれの蒸留酒が無料・有料試飲できるだけでなく、チーズや燻製といったお酒にマッチするおつまみの購入も可能。ウイスキーにまつわる書籍やグッズの販売もされるなど、ファン必見のイベントとして知られている。

ウイスキーだけではなく、ジンや白酒(パイチュウ)といった蒸留酒も豊富に展開されており、現在のスピリッツ市場の動向を探るうえでも重要な存在である。

各ブースでは蒸溜所やインポーターの方々とお話できるため、お酒の特徴はもちろん、それぞれに掛ける想いを直接知ることができる。

ウイスキーファンはもちろん、興味を持ち出したビギナー層まで幅広い方が楽しめるイベントだ。

世界の蒸留酒が一堂に会する

開場から間もなくして、会場中央ステージにおいて注目ブースの紹介が行われた。

国内外の蒸溜所が集まり、それぞれの魅力をマイクを通して伝える。

ウイスキーはもちろん、ジンや白酒といったブースの紹介もあり、世界の蒸留酒のバリエーションの豊富さを感じられた。

ウイスキーフェスティバルの名の通り、世界各国からのウイスキーが並ぶ。

ウイスキーの起源は中世ヨーロッパにまで遡ると言われるが、日本国内においてウイスキーが登場したのは1923年にサントリーの創業者である鳥井信治郎が、竹鶴政孝を招いて京都の山崎に日本初の本格的ウイスキー蒸留所を建設したことに端を発するという。

世界的に見て日本のウイスキーは後発と言えるが、現在ではジャパニーズウイスキーとして世界5大ウイスキーの一角に肩を並べるに至った。日本人の探究心、そして技術力の高さがうかがえる。

本イベントでも世界各国の名だたるウイスキーと並び、国内の新旧様々な蒸留所がブースを出展していた。

ジャパニーズウイスキーを代表するサントリーは、世界5大ウイスキーの個性を重ね合わせた「碧 Ao」を全面に押し出したブースを展開。世界の原酒と日本の技が融合されたこれまでにない香味を訴求した。

ブースでは「碧 Ao」を構成する5種類の原酒の飲み比べも可能となっていた。「ブレンド」という技術の可能性、そしてそのレベルの高さが感じられる。

アサヒビールが手掛ける「竹鶴」「余市」「宮城峡」といった有名銘柄にも多くの人が立ち寄る。

国内では数多くの蒸留所が生まれるなか、清酒蔵によるウイスキーへの挑戦も始まっている。

鳥取で「千代むすび」銘柄を造る千代むすび酒造は2021年よりウイスキー事業に参入。同社3代目社長である岡空林太郎の名を冠した銘柄を展開している。

「長い時間を経て生まれるウイスキーは、長い歴史を持つ日本酒蔵との親和性が高い。やらないという選択肢はありませんでした」と同社常務取締役の岡空拓己さん。吟醸造りにおける温度管理技術を活用した低温発酵に加え、夏は暑く、冬は寒い鳥取の風土が熟成を早めるという。

清酒にも熟成文化は存在するが、現在は基本的に新酒をフレッシュなまま消費されることが多い状況との対比として印象的だった。

他ジャンルからの参入によって、国内ウイスキー市場はこれからもさらなる活性化が期待されるだろう。

多種多様な国内ジンの世界

日本国内のジン市場は、ウイスキーハイボールに変わる新しい選択肢として急速に成長を続けている。2024年の市場は5年前と比較して、約3.5倍となる250億円規模に成長。2030年には450億円、そして600億円規模にまでのぼることが期待されている。

国内市場の7割を占めるサントリーが覇権を握る中、ウイスキー同様に新規蒸留所や他ジャンルからの参入が盛り上がっている。

1860年に創業した清酒蔵(桐村酒造)から、蒸溜所へと生まれ変わった「森の京都蒸溜所」。蔵の中で発見された乳酸菌を原料に使用した、独自のジンを展開している。

同蒸溜所の事業責任者である中部屋恵造さんは、「京都の素材を蔵に住み着いていた乳酸菌によって『二段発酵』させてボタニカルとして使用しています」と説明する。京都という場所、そして元清酒蔵というテロワールが表現されたジンとして大きな注目を集めている。

新潟県で清酒「久保田」銘柄を展開する朝日酒造は2024年より「KUBOTA GIN」を展開している。「里山」をテーマに、四季折々の風景、香りが感じられるジンとなっていた。

▲朝日酒造 経営企画部 広報課 長浜谷汐美さん

佐賀県鹿嶋市にある、1688年創業の光武酒造場では清酒の大吟醸をベースに生み出したジンを展開。地元のシンボルであった赤鳥居をラベルに据え、その香味もまさしく和を感じられるジンに仕上がっている。

世界NO.1スピリッツ「白酒」

世界の蒸留酒が集まる中、存在感を発揮していたのが中国の「白酒(パイチュウ)」だ。

その市場は中国国内だけで20兆円を超えており、金額ベースでは世界で最も飲まれているお酒であるとも言われている。その規模感に対して、ウイスキー文化研究所の代表である土屋守さんは、「世界中のウイスキーが束になっても敵わない」と述べる。

「中国では白酒は食中酒として飲用します。10ml〜30ml程度の小さいグラスに入れ、キュッと飲みながら食事を楽しみます。3人で500ml(53%)のボトル1本開ければちょうど良いくらい。強い人なら2人で1本ですね」と日和商事株式会社 広報部長の郭斌(カク・ヒン)さん。

一般的に、世界の多くの蒸留酒は食シーンから切り離された環境で楽しまれることが多い。中国では食事と白酒を楽しんだ後、お茶を飲むことが一般的だという。

九州一帯で製造される焼酎は、珍しく食シーンで飲用される蒸留酒であることが知られているが、白酒もその分類になることは驚いた。度数は50度を超えるものが多く、非常にパワフルではあるが鼻に抜ける香りは甘やかでスムースに楽しめる。油を大量に使用した料理、濃厚な味付けの料理と合わせれば、ついつい杯が進んでしまうこともうなずける。

サントリー名誉チーフブレンダーのトークショーも

サントリー 名誉チーフブレンダーである輿水精一さんを迎え、「ジャパニーズウイスキーの歩みと現在、そして未来」をテーマにしたトークショーが行われた。

輿水さんは、「わたしがチーフブレンダーの時代はウイスキーはどん底でした。何をやっても上手くいかない状態。2011年に出版した『ウイスキーは日本の酒である』のタイトルは、少しでもウイスキーが売れてくれればという思いでした」当時を振り返る。

土屋さんは「15年経った今、まさに予言のようなタイトルになっていますね。当時でも日本のウイスキーは世界の5大ウイスキーとして評価されて、すごいなと思っていましたが。世界のウイスキーの現場を見ていても、日本のウイスキーは優れた技術があります」と述べる。

輿水さんも「焼酎に流れてしまったユーザーがウイスキー市場に戻ってもらうように、従来のウイスキーとは違う香味、焼酎に寄せたとは言いませんがそういった流れはありました」と振り返った。

ウイスキー市場は1983年をピークに右肩下がりを続けたが、2000年代後半のハイボール缶によって一気にV字回復を果たした。これまでとは違う提案をする姿勢、そしてその結果についてはその他酒類業界においても大いに参考になる気がした。

本トークイベントは30分に渡り行われたが、多くの来場者がブース周遊の足を止めその会話に聞き入っていた。こうした貴重な話が間近で聞けることも、ウイスキーフェスティバルの魅力の一つと言えるだろう。

現地に足を運んでその風土を体感する

土屋さん「最近は焼酎蔵を精力的に回っています。泡盛は30年ほど通っていますが、以前は球磨焼酎の現場にも足を運びました。我々の仕事は現場を見なければ分からないことが多い。とにかく現地に行くことですね」

伝統を守りながらも、新たな製法や他ジャンルからの参入によって絶えず進化を続ける蒸留酒の世界。今回の「ウイスキーフェスティバル2026 in 大阪」は、まさにその多様性と熱気、そして造り手たちの並々ならぬ情熱を肌で感じられる最高の2日間となった。今後のさらなる盛り上がりが期待される市場の動向に注目したい。

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