2020年の7月に九州南部から中部にかけて猛威をふるった豪雨。なかでも熊本と鹿児島との県境にある熊本県の人吉・球磨地方は、球磨川の氾濫で大きな被害に見舞われた。鎌倉時代から明治時代の廃藩置県に至るまで約700年もの間、相良氏の配下にあった人吉近辺は、その面影を残したまち並みが知られるエリア。のどかで歴史あるそんなまち並みが、人の背丈より高い位置まで襲ってきた濁流に飲み込まれ、多くの家々や人命も奪われてしまったのだ。
この水害が焼酎業界にも大きな打撃を与えたのを知っているだろうか? 人吉・球磨地方は、米の本格焼酎「球磨焼酎(くましょうちゅう)」のふるさと。現在、「球磨焼酎」を名乗れる蔵は27蔵だが、多くの蔵が原酒の流出や浸水などの被害を受けたのだ。蔵元同士で被害を受けた蔵の復旧を手伝ったり、有志がクラウドファンディングで蔵のための寄付を募ったりとさまざまな動きは出ているものの、失われた蔵を再建し、再び動かしていくまでは、本当に困難な道のりだ。
「Reborn HITOYOSHI KUMA」のラベルで発売となった9名柄の球磨焼酎と2つの飲み比べセットは、今回の「令和2年7月豪雨」 の復興支援商品。熟成焼酎も、大石酒造『大石』や、那須酒造場『球磨の泉』、常楽酒造『蔵のこだわり』がラインナップしている。
ラベルが貼られた球磨焼酎の売上の一部は、球磨焼酎酒造組合を通じて、被災した球磨焼酎の蔵元の復興再建に使われるという。ラベルに配された三日月がやがて満月になっていくように、球磨焼酎がReborn(生まれ変わる)し、またまばゆく輝く日のために。
新型コロナウイルスの感染拡大もあり、なかなか駆けつけて復興を手伝うことはかなわない時期でもある。球磨焼酎を飲むことで、まちや焼酎の未来を応援してみるのはどうだろうか。