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もう飲み過ぎないぞ…! お酒の適量と飲み方を知ろう!ドリンク・スマートのすすめ。

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もう飲み過ぎないぞ…! お酒の適量と飲み方を知ろう!ドリンク・スマートのすすめ。

Text : SHOCHU NEXT
Illustration : SHOCHU NEXT

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何かと飲む機会の多い年末年始が到来しました。最近ようやく人と顔を合わせて食事をしたりお酒を飲んだりできるようになったから、つい楽しくなって飲みすぎた……なんてことも。

でもお酒は健康的に楽しく嗜むべきもの。お酒の適量や、からだにできるだけ負担をかけないお酒飲み方などなど、胃と肝臓にとっては最も忙しいこの季節に役立つ知識をまとめてみました。

もう飲み過ぎないぞ…! お酒の適量と飲み方を知ろう!ドリンク・スマートのすすめ。 -目次-

  1. お酒の適量ってどれくらい?
    • お酒の適量を計算しよう

  2. 体が分解できるアルコールの量
    • 1時間で分解できるアルコール量はどれくらい?

  3. 「休肝日」をつくれば少しくらい多めに飲んでもいいのでは?
    • そもそも「休肝日」ってなんだ?
    • 1週間の総量で帳尻を合わせよう

  4. 知っておきたい! 飲酒の知識
    • お酒はゆっくり飲んだ方がいい?
    • お酒はごはんと一緒に!
    • お酒を飲み続ければアルコールに強くなれるのか?

  5. 適量を楽しく嗜む、スマート・ドリンカーになろう!

お酒の適量ってどれくらい?

4人で囲む居酒屋での席を俯瞰から描いたイラスト、それぞれがどれだけお酒を飲んでいるかも表している

普段どれくらいお酒を飲みますか?「週に数回」「グラス1杯だけ」「週末は酔い潰れるまで」「毎日何杯も飲んでます!」……。人によって飲む頻度や量はそれぞれでしょうが、その量は果たして適切なのか、改めて考えてみた方がよさそうです。

お酒の適量を計算しよう

1日の「節度ある飲酒」量は、厚生労働省が平成25年も発表している「健康日本21」に記載されています。
その量は「純アルコールにして約20g」。

「純アルコール20g」って? ちょっとピンと来ませんね。この量を25%の焼酎に換算して考えてみましょう。

お酒に含まれている純アルコールの量を知るにはこちらの計算式です。

「お酒の量(ml)」×「アルコール度数(%)」×0.8=純アルコール(g)

計算式に当てはめて考えると、純アルコール20gは焼酎100mlに相当することがわかります。人気のソーダ割ならだいたい2杯強、ロックなら1杯程度でしょうか。
……!!  想像よりも全然少ない! そう考えると、1日の飲酒量が基準値をオーバーしているっていう人が多いんじゃないでしょうか。かくいう僕もかなりオーバーしております。

ちなみに生活習慣病のリスクを高める飲酒量として、男性40g、女性20gという数値も発表されています。下に焼酎以外のお酒の適量もまとめてみました。普段の自分の飲酒量を振り返る(そして反省する)わかりやすい基準になりそうです。

日本酒と焼酎、ビールとウイスキーのそれぞれの適量を表したイラスト

体が分解できるアルコールの量

たくさんのアルコールの前で、「まだまだ飲んでいるので急いで分解頼みますね」と言いながらアルコールを運ぶ分子に対して「エエェ、今日こんなに飲んだの?」と焦る肝臓が描かれた漫画のような一コマ

……いやそうは言うけど今の飲酒量で大した病気もしてないし、もう少し飲んでもいいんじゃないか、などと考えている人はいませんか? ……いやまあ僕もその一人。お酒の誘惑とは恐ろしいものですね。

お酒が好きな人にとっては将来の病気のリスクを考えることより、次の日に酔いや気だるさが残らない、とかってことを考える方が現実味がある気がします。僕だって、飲みすぎた翌日、二日酔いに苦しむのはごめんです。

そうならないためにも適量を守るのはかなり効果的。人間の体が1時間で分解できるアルコールの量から、このことを考えてみましょう。

1時間で分解できるアルコール量はどれくらい?

人体が1時間でどれだけのアルコールを分解できるかは、下の計算式で求めることができます。

「体重(kg)」×0.1=1時間で分解できるアルコール(g)

例えば体重60kgの人ならば、1時間で分解できるアルコールの量は6g。適量20g(=焼酎なら100ml、ビールなら500ml)を飲むと、アルコールが完全に体から抜け切るには3~4時間程度かかるということがわかります。……な、長い!!!

適量のお酒を、日付をまたぐ前くらいまでに飲み終えておけば、次の日に後を引かずにすっきり爽やかに過ごすことができるというワケです。
逆に遅い時間までたくさん飲んでしまうとアルコールの分解にも時間がかかるし、次の日までお酒を残してしまいます。翌朝運転の予定があったりするならこれは論外! 
そう考えると、やっぱりお酒は適量が一番いいんですよね。

これらの数値はあくまでも基準なので、個人のアルコール分解能力やその日の体調によって変わりますが、ひとつの目安として覚えておくといいと思います。

「休肝日」をつくれば少しくらい多めに飲んでもいいのでは?

カレンダーを前に肝臓が、「今月は休肝日が少ないなぁ、もっと休まないとカラダがもたないよ」と休肝日スケジュールを立てている漫画のような一コマ

1日の適量を知っていても、どうしてもそれを超えて飲んでしまうことはあります。それが楽しいお酒の場であるならばなおのことです。

そういう人は酷使した肝臓に気を使って、週に何日かはお酒を飲まない日、いわゆる「休肝日」を設けているのではないでしょうか。
休肝日があれば多少多く飲んでも大丈夫では(っていうか大丈夫であれ)! と思っている方もいるでしょう。実際に休肝日にはどれくらいの効果があるのでしょうか?

そもそも「休肝日」ってなんだ?

なんと「休肝日」には、きちんとした定義があります。厚生労働省によれば、休肝日は「肝臓を休めるために週に1日以上飲酒をしない日を設けることを推奨する目的でつくられた造語」。主にアルコール依存症の予防と1週間の飲酒の総量をコントロールする手段としての役割が大きいようです。

1週間の総量で帳尻を合わせよう

ここで「1週間の総量」という目安が新しく出てきましたね。
飲みすぎた日の帳尻合わせではありませんが、1週間の総量でコントロールすできれば大丈夫だろうという考え方があります。専門家にも1週間の総量をコントロールできれば、大きな問題はないという見解を持つ人が多いようです。

それではここで、二人の酒飲みの1週間を比べて考えてみましょう。
例えば焼酎をグラス半分(アルコール20g)飲んでいる人と、平日はグラス半分よりちょっと多め(アルコール30g)飲み、週末は飲酒をしない人がいたとします。
この二人のアルコール摂取量は1週間でそれぞれ140gと150g。1日で見れば、ちょっと飲み過ぎな人でも、1週間の単位では、前者とアルコールの摂取量はあまり変わりません。

とはいえ、1週間に140gまで許されているからと、1日に集中的に飲んだりするのはもちろんダメ! 休肝日を設けつつ、1日に20~40g程度に抑えるのがベストです。お酒はほどほどに楽しむのが肝心ってことですね。

知っておきたい! 飲酒の知識

お酒の適量が分かり、お酒を飲み過ぎていたことに反省しています……。でもこれは健康的にお酒を飲むための第一歩!健康に気を使いながら、末長くお酒を楽しむためには、まだまだ気をつけた方がいくつかあります。適量以外に知っておくべき飲酒の知識についてまとめてみました。

お酒はゆっくり飲んだ方がいい?

1日の適量はストレートの焼酎(25度)をグラスに1/2杯。休肝日をしっかりと設けるならもう少し飲めますね。この1/2杯、同じ1/2杯でも一気飲みするのと時間をかけて飲むのとでは体に及ぼす影響も変わります。

摂取されたアルコールは、胃や小腸などで吸収されて肝臓へと運ばれます。そして肝臓でアルコールはアセトアルデヒドに分解されます。
これは以前お酒のカロリーの記事でも紹介していますので、あわせて読んでみてください。

焼酎って本当に太らないの? | 焼酎とカロリー、糖質の話 | 熟成を知る、焼酎を楽しむWEBマガジン 「SHOCHU NEXT」

お酒だいすき。でも気になりますよね、カロリーと糖質。だってお酒飲むと太るとか、健康に悪いとか言われるから……涙。でもお酒のない人生なんて無理なんです! 健康志向を背景に、今や酒を選ぶ時の大事な決め手となっています。最近では、コンビニなどでも糖質・プリン体ゼロのビールやチューハイをよく見かけるようになりましたが、ここぞ焼酎の出番!

このアセトアルデヒドは人体にとって有害な物質で、お酒を飲む人なら1度は経験したことがある(1度どころではないかも……?)吐き気や頭痛を引き起こす原因となります。

この有害物質を無毒化するために、さらに分解を行います。

先ほども書いたとおり、60kgの人ならば1時間で分解できるアルコールは約6gほど。もし一気飲みをしてしまうと、分解できる能力を上回った量のアセトアルデヒドが体内に溜まり、細胞にダメージを与えます。
これが運悪く脳や心臓を動かす神経細胞などに攻撃が加わってしまうと、最悪の場合、死にいたるというケースもあるのです。

いやあ、一気飲みは怖いですね……。皆さんくれぐれも、どんなに酔っ払ってしまったとしても、一気飲みをしたり、人に強要したりしてはダメ! 

1時間に分解できるアルコール量と1日の適量を考えると、適量を3時間程度かけてゆっくり飲むのが、体への負担がいちばん少なそうです。

お酒はごはんと一緒に!

仕事おわりにごはんを食べずにとりあえずお酒をぐいっと飲んで、ほんとにあっという間に酔っ払っちゃうなんてことありませんか? 空きっ腹にお酒ってめちゃくちゃ効きますよね。もちろんこれにもちゃんと理由があります。

先ほども述べましたが、アルコールは胃と腸で吸収されます。この吸収は胃で約20%、小腸で約80%行われます。ほとんどのアルコールが小腸で吸収されているんですね。

小腸は吸収の多くが行われる臓器。アルコールの吸収はとても速く、お酒を1杯飲んだら30分で全て体内に吸収されてしまうほどです。

何も食べていない状態の胃は休止状態になっています。そのため、空腹で飲酒をすると、お酒は胃を素通りして一気に小腸まで流れ込んでいきます。

流れ込んだお酒はものすごいスピードで体内に吸収され、結果的に血中アルコール濃度が急速に上昇するというわけ。悪酔いをしたり場合によっては急性アルコール中毒を引き起こしてしまいます。

怖い! 空きっ腹に飲んで「きく〜!」なんて言ってるのは阿呆です。何かを食べ、きちんと胃も動かしてお酒を飲みましょう!肝臓によいとされている食材や料理をおつまみにすれば、よりベターです。

肝臓に良いとされる食べ物(枝豆、チーズ、冷奴など)が描かれたイラスト
アルコールの分解を助けるビタミンB群を分組んだ食材や肝機能の向上につながるタンパク質などを摂るといい

お酒を飲み続ければアルコールに強くなれるのか?

「毎日を飲んでたら、あんまり酔わなくなった」「最近お酒飲んでなかったから弱くなっちゃった……」なんて聞いたことありませんか?

そんな筋トレのような理論が飲酒に当てはるのかと僕はいつも疑問に思っています。果たして飲酒を続ければ人はお酒に強くなれるのでしょうか?
(これは直接的に健康とは関係ありませんが、気になったので紹介します)

お酒に強くなったという感覚、この正体は一体何なのか。結論から言うと、これは「アルコールの代謝能力の向上」というよりは「アルコールを代謝することにカラダが慣れた」というのが正しいようです。

カラダが慣れることで、アルコールの耐性がある程度できて顔の紅潮や、頭痛、吐き気といった症状がでにくくなるんですね。

また飲酒を続けていると、肝臓の酵素のひとつである「シトクロム」が増加します。シトクロムもアルコールの一部を分解する働きをしてくれます。これによって以前よりもお酒を分解できるキャパシティが増えるのではないかと考えられています。

こういった作用が働くことで、実際に毎日お酒を飲んでいる人が昔よりも飲める量が増えたというケースはあるようです。

習慣化された行動に対するカラダの慣れってすごいですねえ! とはいえ、慣れるといってもやはり限度はあるようで、適量を守ってからだに影響が出ない範囲でお酒を楽しむのがいいでしょう。

ちなみに少量でもすぐに気持ち悪くなったり頭が痛くなってしまう、もとからアルコール耐性がない、いわゆる下戸の人はどれだけお酒を飲み続けても「お酒に強くなる」ことはありません。どちらにしても無理は禁物。自分にとっての適量の中でお酒は楽しみましょう。

適量を楽しく嗜む、スマート・ドリンカーになろう!

お酒の適量や正しい飲み方についてたくさん知ることができて、僕自身もかなり勉強になりました(そしてたくさん反省もしました……)。

最近では「ドリンク・スマート」「スマート・ドリンキング」という言葉を掲げる酒類メーカーが増えてきました。

ドリンク・スマートとは、気分や状況、体質、体調にあわせて適切なお酒の量や飲み物を選ぶ、新時代のスマートな飲み方のこと。お酒を飲む人も飲まない人も、正しいお酒との付き合い方を知るための考え方です。

健康のことだけではなく、心地いいお酒の場をつくるためにもスマート・ドリンカーになりたいですね。

年末年始に限らず、お酒はいつでも適量を守って飲めるようになりたいもの。末長くお酒を楽しむためにも適量がいちばん。Be A Smart Drinker! で毎日を過ごしましょう。


焼酎と健康の関係をもっと知りたい!

焼酎って本当に太らないの? | 焼酎とカロリー、糖質の話 | 熟成を知る、焼酎を楽しむWEBマガジン 「SHOCHU NEXT」

お酒だいすき。でも気になりますよね、カロリーと糖質。だってお酒飲むと太るとか、健康に悪いとか言われるから……涙。でもお酒のない人生なんて無理なんです! 健康志向を背景に、今や酒を選ぶ時の大事な決め手となっています。最近では、コンビニなどでも糖質・プリン体ゼロのビールやチューハイをよく見かけるようになりましたが、ここぞ焼酎の出番!

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