熟成焼酎を使ったカクテルをつくるこの企画。ミクソロジストの南雲主于三さんによる第1弾は、米の熟成焼酎〈特別限定酒 大石〉と〈極上大石〉に、やはりよく熟成されたコニャックやシェリーを合わせる、とても贅沢な一杯だ。いくつもの香りと、複層的に立ち上ってくる上品な甘さ。質のいいチョコレートや焼き菓子に合わせて食後にゆっくりと楽しみたい!
「ローリングストーンズ」のつくり方
【レシピ】ローリングストーンズ – Rolling Stones- |
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-〈極上 大石〉 30ml -〈特別限定酒 大石〉15ml -〈ゴンザレス ペドロヒメネス 30年〉 2.5ml -〈ダニエル・ブージュ〉 5ml -〈ソーテルヌ〉10ml 上から順番に注ぎ、よくステア。氷を入れたロックグラスに注ぎ、さらにステアする。 |
COMMENT|レシピについて
「40年以上の年月をかけて熟成やブレンドを追及してきた大石酒造場さん。本場のスコッチやコニャックにも負けない素晴らしい原酒をいっぱいお持ちです。ところが、本格焼酎に対する光量規制などの障壁があるために、原酒ではなかなか市場に出ないので、カクテルであの味を表現したいと考えました。今回、熟成焼酎と一緒に使った〈ゴンザレス ペドロヒメネス 30年〉はシェリー、〈ダニエル・ブージュ〉はコニャック、〈ソーテルヌ〉は貴腐ワイン。さまざまなお酒が絡み合って、複層的で豊かな味わいになりました。ベースのお酒にいろいろと足していく、マティーニやマンハッタン辺りのスタイルを意識したカクテルです。カクテル名はかつて樽は人の手で転がしていたものだったこと、時代に合わせて変化を続けてきたところから。‘転がる(大)石’ということで(笑)」(南雲さん)
TIPS!|家のみで楽しみたい人のためのコツ
よく混ぜること。くるくる回しているうちに異なるお酒がよく混ざり合ってきます。家の冷蔵庫でつくった氷を使う場合は、一度水で洗うとベター。最後のステアもくるくるとよく混ぜて。混ぜすぎると水っぽくなるので注意!「60~70回ほどは混ぜます。氷の状態によっては最大100回ほどという方も」。
TASTE NOTE |味わい
「米焼酎ならではの甘さを中心に、飲み進めるにつれてコニャックやシェリーの香りと味が出てきて、数段階変化します。バーのメニューにあっても遜色ないと思いますね。贅沢な味わいは食後酒としてぴったり。酸味より甘味に合いそうなので、上質のチョコレート、フィナンシェのようなしっとりした焼き菓子など、濃厚な味わいのスイーツと合わせるのがいいのでは」
主役の熟成焼酎と蔵元のこと
〈特別限定酒 大石〉と〈極上 大石〉をつくるのは、球磨焼酎の蔵元・大石酒造場。常圧蒸留・減圧蒸留いずれもの米焼酎を手がける蔵で、熟成焼酎のバリエーションも豊富だ。熟成を始めたのは1980年代。個性の強い常圧蒸留の米焼酎が大ブームだった70年代から一転、80年代はクリアでクセのない減圧蒸留による焼酎が主流に。売れない焼酎に困り果て、さまざまな樽を海外から輸入して熟成に取り組んだのがきっかけだったそう。現在では1300樽ほどを貯蔵し、さまざまなブレンドにも取り組む。
〈特別限定酒 大石〉
地元でとれる米を米麹で仕込んだ原酒を、シェリー樽で3年熟成したものと、コニャック樽で5年熟成したものをブレンド。「米の熟成焼酎の入門編として初めに飲んでほしいです」と南雲さん。「豊潤な香りだけど重過ぎず、米の華やかな感じも楽しめます」
〈極上 大石〉
トウモロコシを米麹で仕込んだ変わり種の焼酎。7~8年熟成している。「トウモロコシと米麹の出会いでこんなにおいしくなるんだ! と驚きますね。トウモロコシを使う蒸留酒といえばバーボンですから、バーボンの蒸留所が麹を使うとこんな感じに仕上がるのかな、なんて考えてしまう。両方の甘みが香る、素晴らしい焼酎ですよ」
特別限定酒 大石 |
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【米焼酎】 貯蔵 3年(シェリー樽)と5年(コニャック樽)のブレンド 度数 25度 原材料 米・米麹(白) 蒸留 減圧 蔵元 大石酒造場 WEB → 所在地 熊本県球磨郡 |
極上大石 |
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【米焼酎】 貯蔵 7~8年 度数 38度 原材料 トウモロコシ・米麹(白) 蒸留 減圧 蔵元 大石酒造場 WEB → 所在地 熊本県球磨郡 |