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〈神の河〉をアレンジ!|コーヒー豆を漬けたらやみつきになった話

コラム

〈神の河〉をアレンジ!|コーヒー豆を漬けたらやみつきになった話

Text & Photo : SHOCHU NEXT

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コーヒーと蒸留酒の相性ってかなりいいんだなって気がついたんです。ウイスキーもブランデーもラムもウォッカも。世界の多くの蒸留酒に、コーヒーを少し垂らした飲み方があったり、コーヒーを使ったカクテルがあったりする! となれば同じ蒸留酒、焼酎もコーヒーと相性がいいのでは……? というわけで、さっそく試してみるのが、焼酎の未来を(勝手に)背負いたいSHOCHU NEXT。今回はコーヒー豆の漬け込みにトライしてみました……うまいです! 皆さまぜひご一読のうえお試しを。


ラムコーヒーをきかっけに、試作をスタート!

最初に白状しますが、今回の焼酎へのコーヒー豆の漬け込み、実は元ネタがあります。それは昔からよく通ってきたとあるバー。世界各地のラムを得意にするそのバーでは、いろんな種類のラムにコーヒー豆を漬け込んでいて、それが本当においしいんです……。コーヒーの色と香りが移ったラムをそのまま薄めのロックグラスに注いでくれる。口をつけると、コーヒーの苦味とラムの甘みが混ざりあったような蠱惑的な香りが漂い、飲めば度数の強さが喉を刺激し、はじめに苦味、そのあとにラムの濃厚な甘やかさ……。相当大人なアイスコーヒーといった感じで、仕事終わりの気だるい感じを流してくれる最高な一杯なんですよね。しかも、高級ラムではなく、くせのない手頃なもののほうがおいしいのだとか。

あれを焼酎で再現できたら最高だよな……。 そんな希望を抱いて、さて、実験始めます!

青い丸皿にコーヒー豆が載せられている画像

家飲みのニューノーマル。コーヒー焼酎のつくり方

あれこれ調べて&実験してみてベストなレシピがこちら。けっこう簡単。余っているコーヒー豆でさくっと試せます。今回は、フルーティで花のような香りが特徴のグアテマラ産の豆を使いました。

薩摩酒造「神の河」にコーヒー豆が浸かっている写真、コーヒーが滲み出て焼酎がアンバーな色になっている。

① コーヒー豆の分量は、焼酎の1/10が目安。四合瓶=720mlなら1、2杯飲んでしまって、500~600mlにするといいです。そこにコーヒー豆を50~60g投入!コーヒーは粉ではなく豆で!

② 瓶に蓋をして1週間ほど寝かせる。はじめは焼酎の中で浮いていたコーヒー豆が、次々と底へと落ちてきて、日に日に液体の色もコーヒーブラウンへと変化していきます。コーヒーの味も濃厚になってくるので、4~5日め頃から味見して、お好みの濃度を確認してみてください。

③ 好みの塩梅になったら、コーヒー豆を取り出す。茶こしを使って別の容器や鍋に移し、豆を取り除いたらコーヒー色の液体をまた再び元の瓶へ。これで完成です!

手に入りやすい〈神の河〉が、家飲み用コーヒー焼酎のベストチョイス

神の河のボトルとコーヒーが浸けられた焼酎ロックが並んでいる写真

今回の実験に使う焼酎は、家飲みを念頭に、コンビニなどでも売られているものにこだわりました。熟成焼酎界の雄といっても過言ではない、麦麹を使った麦焼酎で3年熟成の〈神の河〉のほか、長崎の麦焼酎、熊本の米焼酎……と数種類を買ってきてスタート! 

どれも同じコーヒー豆を使ったので、味は似てくるかと思いきや、できあがりの味はかなり違う! 編集部でブラインドテイスティングの結果、満場一致で軍配が上がったのが〈神の河〉でした。「麦っぽいやさしい香ばしさがコーヒー味に合う」「コーヒーの苦味のあとにまろやかな余韻がくる」など、バランスの良さが際立ちました。

炭酸割りにするとウイスキー・ハイボールに匹敵する味わいの〈神の河〉、なんとコーヒー焼酎でも万能ぶりを発揮するとは……恐るべしです。

ロックでアイスコーヒー風焼酎が、抜群においしい!

木のトレイに乗っているグラスの中には大きめなロックアイスとコーヒーが浸かった神の河が入っている

さて、飲み方ですが、まずはやっぱりロックから。見た目はアイスコーヒーだけど、飲めば衝撃の味わい。25度と度数は決して低くはないので、グビグビ行かず、チビチビとやりましょう。どうしても強いという方は、少量の水で割っても大丈夫。割っても味が崩れないのが焼酎のすごいところ。

甘さがほしい場合はシロップを足すのもよし! プレーンシロップのほか、スタバなどで売っているバニラシロップもおすすめ。甘さをつけてミルクで割るとぐっと飲みやすくなります。発展版として、アフォガードよろしくバニラアイスにかけるのもいいかもしれませんね。

個人的には、オン・ザ・ロックに少しバニラシロップを垂らして、オレンジの皮で香りづけするのにはまっています。ゲストが来たときの振る舞い酒にもいいし、キャンプに持って行ってもいいかも。ハンモックに揺られて飲んだら最高でしょうね!

トレンドのコーヒーカクテルにもチャレンジ!

輪切りのレモンとロックアイスと共にコーヒー「神の河」とソニック(ソーダーとトニックを半々にしたもの)が入った焼酎カクテル

ここ数年、「エスプレッソマティーニ」「コーヒージントニック」など、コーヒーを使ったカクテルが世界的な流行なのだとか。ならばと試してみました。

作り方は、氷の入ったグラスにコーヒー〈神の河〉を入れ、ソニック(ソーダとトニックを半々にしたもの)を注ぎます。最後に、オレンジのスライスを添えて完成です。トニックの独特の甘さとも絶妙に合って、こちらも暑い日に飲んだらよさそう。

ちょっとした実験心で始めたコーヒー焼酎、まだまだ奥が深そうだなと実感しました。コーヒー豆の焙煎度合いや、種類の違いでも味が変わりそうだし、熟成年数や熟成方法の違う焼酎でもかなり違う味が試せそう……。自宅の物入れやキッチンの片隅にある焼酎でまずは少量から試してみてください。新しいお酒の選択肢になるかもしれないです!


SHOCHU NEXTでは、ミクソロジストの南雲主于三さんによる、泡盛とコーヒーを組み合わせたカクテルをいくつかご紹介しています。こちらはさすがプロ!の大胆かつ繊細な味わい。唯一無二の組み合わせの妙、ぜひ動画でも楽しんでください!

〈神の河〉をつくる薩摩酒造の樽職人のインタビューはこちら

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SHOCHU NEXTではコーヒー以外にもさまざまなアレンジに挑戦しています!

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