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熟成焼酎の1週間コーデ〈有機玄米 完がこい〉編|焼酎の飲み方が分からないあなたへ。1本でおうちごはんに全部合う!

レシピ・飲み方・食

熟成焼酎の1週間コーデ〈有機玄米 完がこい〉編|焼酎の飲み方が分からないあなたへ。1本でおうちごはんに全部合う!

Text & Photo : SHOCHU NEXT

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「焼酎1週間コーデ」は、720mlの焼酎1本を家飲みで“飲み回し”する企画。1週間にわたって、さまざまな飲み方とペアリングに挑みます。自分の味覚を頼りに、あれこれおいしい飲み方やごはんとのマリアージュを開拓するのはとっても楽しい! 飲み方のバリエーションが増えるのはもちろん、焼酎ってほんとにいろんな料理に合うなあと驚くばかりです。1日1~2杯飲むと、1週間で瓶が空くのも気持ちいい!

今回の主役はオーガニック玄米焼酎〈有機玄米 完がこい〉。有機栽培の玄米を使った焼酎はほかになく、味はもちろん、ヘルスコンシャスな方にもおすすめの1本です。

この焼酎を“飲み回し”! 豊永酒造の〈有機玄米 完がこい〉

今回のコーデの主役は、熊本県球磨郡・豊永酒造による〈有機玄米 完がこい〉。球磨地方は肥沃な土地と球磨川の美しい流れに恵まれた古くからの米どころ。豊永酒造は、1990年から地元の農家と協力して有機米の栽培を始め、有機米を原料にした焼酎を手がける稀有な酒蔵のひとつです。

豊永酒造の米は、化学肥料や農薬不使用はもちろんのこと、田植えや稲刈りの時期の農作業は陰暦に従って、月の満ち欠けを見ながら行うそう。蔵の裏手にある自社田の水がとにかくきれい!以前は雑草との戦いだったといいますが、植物と土の中の微生物の動きと調和が生まれ、いまでは雑草も生えません(とっても不思議!)。
自然と人とのサイクルや、農業のあり方をひたむきに考え続け、球磨の”テロワール”を最大限に生かした”サスティナブル”な酒づくりを行っています。

〈有機玄米 完がこい〉はその名の通り有機玄米で仕込んだ本格焼酎。有機農法による玄米で仕込んだ焼酎は、国内でもこの1銘柄だけ! 日本酒の吟醸香を思わせる華やかな香りと、口に含んだ時に訪れる、玄米らしい香ばしさと心地の良い軽さ。「これ焼酎なの!?」と、誰もが驚くはず。

度数は35度と高めながら、すこし冷やしておくとストレートでもスルスルと飲めてしまうという(ちょっと……いやだいぶ危険な)おいしさです。これだけ米の風味を残しながら、糖質ゼロのヘルシーさもうれしい。日本酒好きの方にもおすすめしたい1本です!

今回の記事制作するにあたっては、豊永酒造の豊永遼(はるか)さんにお話を伺いました。

〈有機玄米 完がこい〉で1週間おうちごはん!

月曜日:〈完がこい〉自家製ジンジャーシロップ&ソーダ割×ジンジャーキーマカレー 

冬がぐっと深まり、寒さが身に沁みると、体も気分もカチコチになってしまいがち。ブルーマンデーはなおさらです。食べるものの力を取り入れたいこんな日には、漢方にもなる身体を温めてくれるショウガ。袋でたっぷり手に入れたショウガをざく切りにして、はちみつに漬けただけの自家製ジンジャーシロップを、〈完がこい〉と一緒にソーダ割りにしてみます。ショウガのピリリとした程よいドライ感がとってもいい感じ! クミンやガラムマサラ、カイエンペッパーなどたくさんのスパイスと生姜たっぷりのジンジャーキーマカレーと一緒に食べれば辛さも相まって、食べ終わる頃にはいつの間にかぽかぽかに。

〈完がこい〉自家製ジンジャーシロップ・ソーダ割りのコツ
・自家製ジンジャーシロップは生姜を薄くスライスしたものを、沸騰したお湯にさらしてアク抜きした後、瓶などではちみつ漬けにして冷蔵庫で保管する。 
・焼酎〈完がこい〉1:自家製ジンジャーシロップ1~2:ソーダ8。シロップの量はお好みで。

ジンジャーキーマカレーのつくり方
① 生姜、ニンニク、玉ねぎをみじん切りにする。
② サラダ油をひき、ニンニクを炒める。香りが立ったら玉ねぎとショウガを入れて軽く炒める。全体に火が通ったら合い挽きミンチを入れる。
③ 肉全体の色が変わったら、クミン・ガラムマサラ・カイエンペッパー・ナツメグ・カレー粉・ウスターソースを入れて全体をよく混ぜる。
④塩・こしょうで味を整えたら、ごはんをお皿に盛り付けてその上にキーマカレーをのせる。
半熟のゆで卵をトッピングしておくと、一緒に食べた時の辛さがマイルドになっておいしい!

火曜日:〈完がこい〉だし割り×おでん

冬の定番和食・おでん。そのおでんと一緒にぜひ試していただきたいのが焼酎のだし割り! 「だし割りって、日本酒でやるものなんでは?」って思います? 玄米焼酎である〈完がこい〉は、だし割りにも相性ぴったり。鰹節や昆布のシンプルなおだしで割るのもいいけど、具材からもうまみが出たおでんのだしなら、よりおいしいです。アツアツのおでんを食べている間は一緒に冷たいシュワシュワのソーダ割り。シメにだし割りで飲むのがおすすめです。最後の一杯が体もぽかぽか温めてくれますよ。とても手軽で簡単にできちゃうアレンジです。

〈完がこい〉だし割りのコツ
出汁を好みの温度(40~60度ぐらい)に温める。
最後に七味唐辛子をひとさじ入れてもおいしい。
(焼酎〈完がこい〉3:おでんのだし 7)

おでんだしのつくり方(おでんの具材はお好みで)
① 鍋に水と昆布を入れて1時間ほど浸しておく。
② 鍋を弱火にかけて、沸騰する直前で昆布を鍋から取り出す。その後再び沸騰させて鰹節を加えて火を止める。鰹節が沈んだらザルで濾す。
③ 再び鍋にだしを戻し入れて、酒・みりん・塩・しょうゆを入れて完成。

水曜日:〈完がこい〉自家製はちみつレモンサワー×白身魚のレモンクリーム煮

今週も折り返し! 気分をすっきりさせてリフレッシュしたいので、ビタミンCたっぷり、レモン尽くしのレシピをチョイスしました。レモンを薄くスライスして蜂蜜につけた「はちみつレモン」で、自家製のはちみつレモンサワーをつくったら、料理は白身魚のレモンクリーム煮にチャレンジ。レモンのおかげでクリームソースも重たくなりすぎなくていい。白ワインを合わせていたこんな料理こそ、フルーティーで軽やかな〈完がこい〉は相性ぴったり! 和洋選ばず楽しめる、本当に優秀なお酒です。

〈完がこい〉自家製はちみつレモンサワーのコツ        
薄くスライスしたレモンをハチミツに漬け込んでおく。
割合はお好みで。
(焼酎〈完がこい〉1:はちみつレモン 2:ソーダ・氷 7)

白身魚のレモンクリーム煮のつくり方
① レモンを薄切りにする。
② 魚の臭みを取るために、塩を切り身にまぶして数分置いたのち、お湯でさっと流す。
③ 水分を軽く取ったら、切り身に薄力粉を薄くまぶす。
④フライパンに熱してバターを溶かしレモンを2~3枚入れて、切り身を両面焼く。
⑤魚に火が通ったら、先にフライパンから魚を取り出しお皿に盛り付けておく。
⑥④のフライパンに生クリームを流し込み、ニンニクのすりおろしと塩、こしょうで味をととのえたら、お皿の上の魚にソースとしてかけて完成。

木曜日:〈完がこい〉×豚カツ

週末まで、あともう少し。ここはひとつ、心も体もガッツとパワーが欲しい…!!! そんな時は、サクサク熱々のジューシーな豚カツはいかが? ボリュームのある料理には、やっぱりキレのいいシュワシュワした飲みものが欲しくなるところ。〈完がこい〉ハイボールにホールのブラックペッパーを入れて、仕上げに粗挽きにしたものをひとつまみ。玄米由来の華やかな吟醸香にこしょうの辛みが加わって、より爽やかなハイボールが楽しめます。こしょうの香りは最後までしっかり続くので、豚カツやソースのどっしりとした味わいもスッキリと流してくれますよ。

〈完がこい〉スパイシーハイボールのコツ
先にグラスに氷を入れ焼酎を注ぎソーダを入れ、ホールのブラックペッパーを数粒。仕上げにミルで粗挽きしたパウダーを入れる。ソーダを選ぶときは、優しい味わいでゆっくり楽しみたい時は弱炭酸、刺激強めのハイボールがお好きなら強炭酸がおすすめ。
(焼酎〈完がこい〉3:氷・ソーダ 7)

豚カツのつくり方
① 豚肉のすじを切ったあと、全体を少し叩いて塩・こしょうで下味をつける。
② ①に小麦粉、卵、パン粉をつける。
③ 170~180度の油でカラッときつね色になるまで揚げる。
④ 一口大に包丁で切り、キャベツの千切りと一緒にお皿に盛り付ける。ソースやからしはお好みで。

金曜日:〈完がこい〉ストレート×ブイヤベース

待ちに待った金曜日。年の瀬の雰囲気も相まって気分も自然と華やぎます。さっさと仕事を切り上げて、温かいおうちでブイヤベースをつくってみます! えびやあさり、白身魚など贅沢にいろんな魚介を使うから、ちょっとしたパーティー気分が味わえるのもうれしいところ。トマトベースの酸味と魚介の出汁、香味野菜のアクセントがきいたブイヤベースは〈完がこい〉のフルーティーさにもぴったり。〈完がこい〉を冷蔵庫でキリッと冷やし、食事の始まる少し前に冷蔵庫から取り出して8~10度くらいで試してみてほしい! いちばんシンプルなこの飲み方、お酒のうまみがよく出ます。美味しすぎてうっかり飲みすぎないようちびちびと、近くにチェイサーのご用意もお忘れなく♡

〈完がこい〉ストレートのコツ
冷蔵庫で冷やしておいて、8~10度ぐらいの温度でグラスに注ぐ。

ブイヤベースのつくり方
①魚介は好きなものを用意すればOK。より美味しく作るために魚介の下処理はとても大事! 有頭えびは頭を残し殻を剥いて背わたを取り除く(えびの殻は捨てずに、ブイヨンベース用にとっておく)。白身魚の切り身には熱湯をまわしかけ、臭みをとったのち、全体に塩こしょうをまぶす。あさりは砂抜きをして、殻を擦り合わせてよく洗うこと。
②玉ねぎはみじんぎりにし、ニンニクは包丁の面でつぶす。
③ 鍋にオリーブオイルを熱し、ニンニクを加えて中火にかけて香りが立ってきたら、えびと白身魚を入れ火が通るまで焼く。両面焼き色がついたら魚介を取り出す。
④③の鍋に玉ねぎを加えてしんなりするまで炒める。あさり、海老の殻、〈完がこい〉を少量加えてサッと混ぜ合わせ、蓋をしてあさりが開くまで数分蒸す。
⑤あさりの殻が開いたら、あさりを取り出し、水・カットトマト缶・コンソメ・ローリエ・サフランを入れて中火で5分程度煮込む。
⑥煮込んで、スープの量が2/3になったらザルでスープを濾す。
⑦スープをほどよく温めたホットプレートに流し入れ、あさりや白身魚、えびを戻し入れて5分ほど煮込む。最後に塩・こしょうで味を整えて、パセリをふる。
⑧ニンニクのすりおろし、マヨネーズを混ぜ合わせて別添ソースをつくる。途中で味を変えたい時に少しずつ入れるのがおすすめ。

土曜日:〈完がこい〉牛乳割り×カステラ

ゆったりめの週末。卵をたっぷり使って、ジャリジャリとしたざらめのお砂糖がおいしいカステラを焼いてみました。このふかふかで甘いカステラと牛乳で割った〈完がこい〉は実は最高の組み合わせ!(冬は寒いからぜひホットミルクで割るのがおすすめ!)

「焼酎と牛乳?!」とびっくりされるかもしれませんが、実はこの牛乳割り、豊永蔵の先代、遼さんのおじいさまにあたる先代が大好きだった飲み方だそう。牛乳のコクのあるまろやかさが〈完がこい〉のフルーティーな風味ととても相性がいいのです。いろんな楽しみ方ができちゃう〈完がこい〉の味の奥深さに唸る一杯です。

〈完がこい〉牛乳割りのコツ
(焼酎〈完がこい〉3:牛乳 7)牛乳は冷たくても温めてもOK。割合はお好みで。

カステラの作り方
①強力粉をふるっておく。
②ボウルに卵を割り入れて、湯煎で40度ぐらいにあたためる。
③砂糖を加えて、高速で泡立てる。最後は速度をゆるめて、泡のキメを整える。 
④サラダ油、はちみつ、みりんを入れてゆっくり混ぜる。
⑤強力粉を加えてゴムベラでさっくりと全体を混ぜる。
⑥型にクッキングシートを敷き、ざらめを入れて、全体に広げる。生地を流し入れて型を10cm程の高さから2、3回落として表面を平にする。
⑦180度のオーブンで10分間焼き、140度に下げて30分ほど焼く。
⑧粗熱がとれたら、クッキングシートをはがしお好みの大きさに切り分ける。

日曜日:〈完がこい〉ネグローニ× オランジェット

明日からまた1週間が始まるなぁ……。ちょっと気だるさを感じる日曜の午後は、見た目も可愛いオレンジを使ったスイーツとカクテルで気分を上向きに! カンパリやベルモットといった大人っぽい苦味のあるお酒と割ると、〈完がこい〉の米の甘みが深いコクへと変化するのがとっても面白い! 吟醸香が柑橘とよく合うので、ほんのりビターなオランジェットとのペアリングは抜群です。〈完がこい〉の厚みのある味わいが一気に倍増するのでぜひお試しあれ!

〈完がこい〉ネグローニのコツ
(焼酎〈完がこい〉3:カンパリ1:ベルモット1)
よりビターな味が好みなら、カンパリの量を少し多めにするのがおすすめ。

オランジェットの作り方
①オレンジは水で濡らして、塩をこすりつけてよく洗う。
②鍋にオレンジが浸かるぐらいの水を入れ、火にかける。沸騰したら1分ほど煮て、冷水にとりよく洗う。この作業を2回繰り返す。お湯はその都度捨て新しくすること!
③オレンジを5mm幅で輪切りにする。
④砂糖、ラム、水を加えて中火にかける。
⑤沸騰したら落とし蓋をし、弱火で15分ほど煮る。
⑥キッチンペーパーで水分をとり、クッキングシートを敷いた天板に並べ110度のオーブンで60分乾燥させる。
⑦オーブンから取り出し、網の上で乾かす。
⑧ボウルに荒く刻んだチョコレートを加え、湯煎で溶かす。
⑨オレンジをチョコレートにつけ、クッキングシートの上に並べて冷蔵庫で冷やし固めれば完成。

〈有機玄米 完がこい〉のこと

国内で唯一、有機農法でつくられた玄米を使った銘柄である〈有機玄米 完がこい〉。もともと、自然療法を実践する人たちの「有機玄米で焼酎をつくってほしい!」という声をスタート地点にして生まれたといいます。度数も35度と高めで、雑味がなく華やかな香りバランスのとれた味わいは、幅広い層に飲みやすく、日本酒やワイン好きにも届く焼酎です。

「有機」「玄米」という言葉に魅力を感じる方は、ヨーロッパを始めとする海外にも多く、フランスやオーストリア、ドイツ、シンガポール、タイなど諸国でも売られています。お酒も飲むなら安心・安全がいい、というのは、きっと多くの方が感じるところ。それでいておいしいこの1本、ぜひ“飲み回し”で堪能してほしいです! 

有機玄米 完がこい
【有機玄米焼酎】
貯蔵 半年〜1年
度数 35度
原材料 玄米(球磨産有機玄米)、玄米麹(球磨産有機米)
蒸留 減圧

蔵元 豊永酒造 → WEB
所在地 熊本県球磨郡湯前町
通販サイト → STORE

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