焼酎マイスターの吉満 SCENT 香が、さまざまな熟成焼酎でハイボールを試し、ベストな割合やペアリングを探し求めるこの連載。16回目となる今回は、球磨焼酎〈吟香 鳥飼〉をご紹介。鳥飼酒造による唯一の銘柄である〈吟香 鳥飼〉は、なんと言ってもとびきり華やかな吟醸香が特徴です。おなじみの邪道飲みは、意外すぎるお手軽ちょい足しが登場します！
About the Shochu: 〈吟香 鳥飼〉のこと
熊本県人吉市に蔵をかまえる鳥飼酒造。歴史はとても長く、400年前から酒造りを営み、江戸時代には日本酒と焼酎をつくっていたと伝えられるほど。環境保護の取り組みにも積極的で、2000年には人吉を流れる草津川流域の自然を守るために山林を取得し、ここに蒸溜所を設立。廃水を一切川に流さない、環境に配慮した焼酎づくりを行っています。
驚くことに鳥飼酒造がつくるのは一銘柄のみ。それが〈吟香 鳥飼（ぎんか とりかい）〉で、長年の研究を経て1994年に誕生した米焼酎。初めて本格焼酎で吟醸香をつくることに成功した銘柄ともいわれ、その香りは日本酒にも引けを取らなりません。減圧蒸留することで口当たりもさらりとシルキー。桃やりんごのみずみずしさを思わせる、気品あふれる味わいは唯一無二の存在です。
Good Portion：〈吟香 鳥飼〉のベストな割合
アルコール度数はスタンダードな25度。果実のようなフレッシュな香りを楽しむために、まずは焼酎5：炭酸水5からスタートします！
炭酸水で割ることで、香りはよりまろやかで上品に。炭酸の泡とともに吟醸香が立ちのぼります。食事と合わせる場合は、ほんの少し焼酎を控えめにした焼酎4.5：炭酸水5.5がベスト。特に和食との相性は間違いなしの華やかな１杯に仕上がります。米の旨みや甘みを思う存分楽しみたい時は、たっぷりと焼酎6：炭酸水4がおすすめですよ！
熟成焼酎ペアリング：〈吟香 鳥飼〉と合わせたいおつまみ
味の濃い料理にも負けない、豊かなフレーバーを持つ〈吟香 鳥飼〉。まず外さないのは、たっぷりとタレに浸かった焼鳥とのペアリング。甘辛い焼鳥のタレと〈吟香 鳥飼〉の磨き抜かれた味わいの組み合わせで、飲み＆食いの無限ループに陥りそう……。
さらにおすすめなのが、ひきわり納豆とのペアリング！ 炊き立てのご飯と納豆の相性が抜群なように、米焼酎〈吟香 鳥飼〉と納豆も間違いなしの組み合わせです。納豆の独特な発酵臭と〈吟香 鳥飼〉の吟醸香とのマッチングが絶妙で、グラスを置く暇もない、これぞパーフェクトマリアージュです。
Add on: ちょい足し！ 邪道といわれたってやってみてほしいおススメの飲み方
カップ麺に入れると旨さ倍増⁉︎ 〈吟香 鳥飼〉をひと垂らしした「吟醸カップ麺」！
SNSでも度々話題になる「カップラーメンに日本酒を入れると旨い」という邪道極まりないアレンジレシピ。なんとカップラーメンに大さじ１杯の日本酒を入れるだけで、油っぽさがなくなって旨みが倍増するのだとか……。いや待てよ、日本酒が合うならば、吟醸感たっぷりの〈吟香 鳥飼〉が合わないはずがない！ ということで、カップ麺に〈吟香 鳥飼〉をちょい足しして、味わいの変化をリサーチしてみました。
レシピはいたって簡単。カップ麺にお湯を注いで3分経ったら〈吟香 鳥飼〉大さじ１杯を垂らすだけ。醤油ラーメンに入れると、ジャンキーな油っぽさと濃いめのスープを〈吟香 鳥飼〉が包み込み、カップラーメンとは思えないほど奥深い味わいに変化。シーフードヌードルに入れると、魚介の旨みがブーストして、よりはっきりとした風味になります。いろいろ試したなかでも特に合うのはきつねうどん！ たった大さじ1杯入れただけなのに、スープの雑味が消え、より上品な出汁のように味変します。いやこれほんと、騙されたと思ってやってみてください!!
Rating スコア
58%に磨いた米で仕込むことで、日本酒に負けない吟醸香を生み出している〈吟香 鳥飼〉。「日本酒は好きだけどカロリーが気になる……」という人は、糖質ゼロの焼酎がお薦め。米焼酎の入門編としても最適な１本です。
吟醸香 ★★★★★
なめらかな口当たり ★★★★☆
和食との相性 ★★★★☆
全国各地の酒販店、オンラインショップでも見つけやすいのもうれしいポイント。普段の家飲みからハレの日まで、さまざまなシーンで楽しめる１本です。
