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「SHOCHU NEXT」が英語圏デビュー! パートナーメディア「nomunication.jp」編集長インタビュー

コラム

「SHOCHU NEXT」が英語圏デビュー! パートナーメディア「nomunication.jp」編集長インタビュー

Text & Photo : SHOCHU NEXT

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NEWSコーナーでも既報の通り、SHOCHU NEXTは、日本のバー・洋酒文化を海外に向けて発信するライフスタイルブログ「nomunication.jp(ノミュニケーション・ジェーピー)」との提携を11月1日の本格焼酎の日からスタートしました。今後は、私たちSHOCHU NEXTの記事から毎月2~3本が英語化されて海外にむけての記事配信が行われていきます。この提携は、「nomunication.jp」編集長のリアム・マクナルティさんが本格焼酎・泡盛の海外展開に可能性を見出してくれたからこそ。世界の飲酒シーンから見たときに、焼酎はどのように見えているのか? リアムさんにお話を伺いました。

日本の飲酒文化を英語圏に発信する

―――読者のために、まずは自己紹介をお願いできますか?

「私はアメリカ・デラウェア州の生まれ。2008年から東京に住んでいます。実は本業は金融関係なのですが、蒸留酒の魅力にはまってしまって。16年に日本のバーや洋酒文化を英語で発信するサイト「nomunication.jp」を立ち上げました。現在は、東京ウイスキー&スピリッツコンペティションの実行委員も務めています」

―――リアムさんはいつから焼酎を好きになったのでしょうか?

「具体的な時期は覚えていませんが、おそらく2012年あたりから本格焼酎を楽しんでいるはずです。元々好きだったのは洋酒の蒸留酒。でもせっかく日本にいるなら日本の蒸留酒を知らないのはもったいないなという気持ちもありました。大衆系の居酒屋で飲むことが多いのですが、そういうところで、冒険的な気持ちで本格焼酎を頼んだのがきっかけですね。そこで焼酎に魅了されて、焼酎飲み放題の居酒屋などにも行くようになり、さらに興味が湧きました。
どの原料の焼酎も楽しんでいますが、好きな銘柄のひとつは〈さつま白波原酒〉。華やかな芋の香りを感じながらも、しっかりした飲みごたえがあります」

―――現在の焼酎の海外展開における課題をどうお考えですか?

「はっきり言って海外での“Shochu”の知名度はまだ相当に低い。国によっては食事の間に蒸留酒を飲む文化が全くありませんし、音の近さからShochu = Sojuと勘違いされている方も多い。海外での知名度はまだまだ成長の途上だと思います。

ただ一方で、Shochu が海外のバーテンダーの方々から注目を浴び始めているのも事実。少しずつ良い方向に動きつつありますね。また、アルコールの世界市場における、“ローアルコール化”や“クラフトスピリッツ”といったトレンドに、焼酎・泡盛はかなりフィットしていますから、今後は人気が加速すると思いますね。特に海外では、焼酎を一度も飲んだことのない方ばかり。そういう意味では、『焼酎とは何か』という基本的な知識の周知から始める必要があります。僕は国内のいろんなイベントなどにも出かけますが、情報を英語で得るのがとても難しい。日本語を話さない人も意識した情報発信をお願いしたいです。

味わいの面では、海外の蒸留酒に慣れた人々には黒糖焼酎はいちばん受け容れられやすいだろうと思いますね。それから樽熟成タイプももちろん理解されやすいのではないでしょうか

―――可能性の大きい海外マーケットとして、リアムさんがいちばん注目されているのはどの国ですか?

「輸出額として大きいのは中国。しかしながら、世界の飲食業界で影響の大きいトレンドセッターはアメリカだと思います。そうやってバーテンダーの視点から見ると、20度~25度の蒸留酒をカクテルのベーススピリッツとして使用するのは難しい部分もある。ですから、カクテルでも個性を味わえるよう、より高い度数の銘柄は今後望まれるのではないでしょうか。
ご存知の方も多いかと思いますが、今年の夏、ニューヨーク州では24度以下の焼酎を『ソフトリカー免許』で提供できるようになりました。これに伴って、これまでよりずっと多くのレストランで提供できるようになりましたから、少なくともニューヨーク州では、これまで通りの度数と高い度数、両方を揃えるのがベストだと考えています

「SHOCHU」のこれからを見据えてSHOCHU NEXTと提携!

リアムさん(右)と「SHOCHU NEXT」編集長中山大希

―――提携のパートナーとして、わたしたち「SHOCHU NEXT」にご注目いただいたのはなぜでしょうか? 期待している記事などありますか?

nomunication.jpの読者は大多数がアメリカの、英語ネイティブの読者。いちばん多いのはバーテンダー、飲食店といった業界の方ですので、入門編というよりは中級以上向けの多少テクニカルな記事、もう一歩踏み込んだようなコンテンツに力を入れてきたメディアです。「SHOCHU NEXT」を発見したときは、「本格焼酎・泡盛の分野でも同じようなスタンスのメディアがあるんだ!」と思いました。

ネットでも書籍でも、そういった「中級者向け」の焼酎教材はかなり少ないので、貴重な存在だと思っています。欲を言えば、英語でも同じようなコンテンツがあればもっと最高。それが提携のきっかけのひとつです。今後は、「SHOCHU NEXT」の記事を毎月2〜3本英語化して「nomunication.jp」で配信していきますが、蔵訪問や蔵元インタビューの記事がより増えることを期待しています。焼酎を知らない誰が読んでも勉強になるようなコンテンツがもっともっと出てくるといいなあと! いつか一緒に、焼酎・泡盛に特化したイベントも開催したいですね。今後が楽しみです。

リアム・マクナルティ/「nomunication.jp」編集長。1984年米国デラウェア州生まれ。高校から日本語を学び、2001年に広島県へ留学。大学卒業後に外資系投資銀行の東京オフィスに就職。神田のバーで蒸留酒とカクテルに出会って魅了され、以来東京の街を開拓。16年に日本のバー・酒文化を英語で発信するウェブメディア「nomunication.jp」を立ち上げる。TWSC(東京ウイスキー&スピリッツコンペティション)実行委員会メンバー。

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