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宮崎焼酎と焼酎カクテルの魅力を浴びる!MIYAZAKI SHOCHU FESTIVAL2023レポート

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宮崎焼酎と焼酎カクテルの魅力を浴びる!MIYAZAKI SHOCHU FESTIVAL2023レポート

Text & Photo : Kaho Matsumoto

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2023年3月18日に天王洲アイルで宮崎焼酎と焼酎カクテルの祭典「MIYAZAKI SHOCHU FESTIVAL2023 in 東京」が開催されました。その様子をレポートします!

MIYAZAKI SHOCHU FESTIVALとは

MIYAZAKI SHOCHU FESTIVALとは

宮崎県は8年連続で本格焼酎の出荷量日本一を誇る焼酎大国。今回、「MIYAZAKI SHOCHU FESTIVAL2023 in 東京」は、同県を代表する21蔵元の焼酎を一同に味わうことができる『焼酎ノンジョルノ』、そしてミクソロジーの第一人者である南雲主于三さんが監修した焼酎カクテルを14名のトップバーテンダーが提供する『SHOCHU Mix Up』という2つのエリアが同時に楽しめるつくりとなっていました。

「MIYAZAKI SHOCHU FESTIVAL2023 in 東京」カクテル&フードコイン

会費は6,000円で、カクテル&フードコインを6枚もらえます。コインは『焼酎ノンジョルノ』エリアで各蔵元の焼酎試飲に1枚ずつ、『SHOCHU Mix Upエリア』でカクテル&フードにそれぞれ2枚ずつ使用します。もっと飲みたい!という方のために追加コインの販売もありました。

「MIYAZAKI SHOCHU FESTIVAL2023 in 東京」焼酎試飲用グラス

さらに焼酎試飲用にこんな可愛いグラスももらえました。飲み口が広くお湯割りを楽しむのにもぴったり!

「MIYAZAKI SHOCHU FESTIVAL2023 in 東京」焼酎試飲用グラスの底面

底面にもロゴが入っていて細やかなこだわりも感じます。記念品としてのクオリティも高いですね!

早速グラスを手に試飲へと繰り出しましょう。

『焼酎ノンジョルノ』エリアには21もの蔵元が大集合

まずは『焼酎ノンジョルノ』エリアです。

「MIYAZAKI SHOCHU FESTIVAL2023 in 東京」『焼酎ノンジョルノ』エリア

このように、各蔵元さんがずらりと並んでいます!

「MIYAZAKI SHOCHU FESTIVAL2023 in 東京」神楽酒造

<天孫降臨>でおなじみの神楽酒造。

「MIYAZAKI SHOCHU FESTIVAL2023 in 東京」雲海酒造

近年では<木挽ブルー>でも話題の雲海酒造。

「MIYAZAKI SHOCHU FESTIVAL2023 in 東京」渡邊酒造場の冬季限定焼酎<雪のまんねん>をお湯割りで頂く

筆者は渡邊酒造場で冬季限定の焼酎<雪のまんねん>をお湯割りで頂きました。普段あまりお湯割りはしないのですが、代表の渡邊幸一朗さんから「お湯割りは苦手という方もいますが、実はやさしくて甘味も強く感じますし、度数を下げるのでとても楽に飲めるんですよ」とおすすめ頂き飲んでみました。すると芋の甘味とコクがふわ~っと感じられてとてもおいしい!

「MIYAZAKI SHOCHU FESTIVAL2023 in 東京」渡邊酒造場

渡邊酒造場では1914年の創業時より、原料の芋から自社でつくっています。こだわりの芋を使用した芋焼酎をそのおいしさを存分に味わえるお湯割りで多くの方に飲んでほしいと考え、今回のようなイベントではお湯割りに馴染みのない方にもチャレンジしてもらっているのだそう。試飲した方から「こんなにおいしいんだ」と言ってもらえることが嬉しい!といいます。

「MIYAZAKI SHOCHU FESTIVAL2023 in 東京」宮崎県の名物を味わえるフードコーナー

ほかにも、宮崎県の名物を味わえるフードコーナーもありましたよ!

『SHOCHU Mix Up』エリアでは焼酎の新しい魅力を発見

続いては『SHOCHU Mix Up』エリアへ!

「MIYAZAKI SHOCHU FESTIVAL2023 in 東京」『SHOCHU Mix Up』エリア

全国のトップバーテンダー14名が、このイベントのために考案した宮崎焼酎カクテルを提供しています。

「MIYAZAKI SHOCHU FESTIVAL2023 in 東京」Bar BUTLERの吉瀬真澄さん

筆者はBar BUTLERの吉瀬真澄さんのカクテルを頂くことに。選んだのは寿海酒造の<ひむか寿 赤芋仕込み 芋焼酎>とワイン「バーベイト マデイラ ミディアム ドライ」をあわせたカクテルです。

寿海酒造の<ひむか寿 赤芋仕込み 芋焼酎>とワイン「バーベイト マデイラ ミディアム ドライ」をあわせたカクテル

最後に金柑ジャムを添えれば……、

寿海酒造の<ひむか寿 赤芋仕込み 芋焼酎>とワイン「バーベイト マデイラ ミディアム ドライ」をあわせたカクテルに金柑ジャムを添えて

こんなにオシャレなカクテルが完成!普段飲み慣れている焼酎からはちょっと想像できない味わいです。焼酎ってこんな飲み方もありなんだ!と自宅でも様々な組み合わせに挑戦したくなりました。素人がマネしてもこんなにおいしくはならないのかもですが……。

「MIYAZAKI SHOCHU FESTIVAL2023 in 東京」「SHOCHU HIGH BALL BAR」コーナー

続いて気になったのは「SHOCHU HIGH BALL BAR」コーナー。焼酎をソーダ割りした「焼酎ハイボール」に、お好みでハーブや宮崎フルーツをトッピングできます。

霧島酒造さんの「KIRISHIMA No.8」に宮崎の日向夏を絞る焼酎ハイボール

この日一番人気だったのは霧島酒造さんの「KIRISHIMA No.8」に宮崎の日向夏を絞る焼酎ハイボール。フルーティーな芋焼酎に日向夏の酸味が驚くほど合い、さっぱりとごくごく飲めました!

セミナーではリアルで濃い議論が

イベントではセミナーも開催しており、16:40からは黒木本店の黒木信作さん、松露酒造の矢野裕晃さんを迎え、モデレーターの南雲主于三さんとともに「宮崎焼酎の現状と未来 焼酎の歴史と新市場(輸出)を見据えた未来について」のディスカッションが行われました。

「MIYAZAKI SHOCHU FESTIVAL2023 in 東京」で開催されたセミナー

自社の焼酎<山猿>について黒木さんは「特殊な釜で特殊な煮詰め方をしてつくっている」と明かし、南雲さんはそれに対し「同じ麦でも蒸留の火を変えたり蒸留方法を変えたりすることでここまで変わるのかと驚いた」とコメント。さらに「発酵や酵母、原材料などを突きつめ、さらにその先の手を付けていない箇所を考えることでさらに焼酎は新しくなるのでは」と語りました。

さらに焼酎の今後について、矢野さんは日本酒蔵の醸造技術を焼酎づくりに生かせないか考えているといい、南雲さんは「この近年で焼酎づくりの技術と知識がクロスオーバーをした結果、さまざまな工程でポイントがあがった。蒸留の技術をウイスキーやジンから学んだり、発酵の技術を日本酒から学んだり、いろんなところから取り入れながらハイブリットに変わっていっていることを感じます。このように焼酎は多様なエッセンスを取り入れられる稀有なスピリッツだと感じますね」と話します。

「MIYAZAKI SHOCHU FESTIVAL2023 in 東京」ディスカッション

これから海外にも焼酎を輸出していくために、全員の共通認識は「価値の創造を頑張らないといけないこと」。日本酒には大吟醸などわかりやすい価格帯の目安となる付加価値があるけれど、焼酎にはないため、今後何を価値にするのかを考えていく必要があるのでは?という話もありました。

「日本人として焼酎を広める使命感がある」

最後にプロデューサーの南雲 主于三さんにお話を伺いました。

「MIYAZAKI SHOCHU FESTIVAL2023 in 東京」のプロデューサー、南雲 主于三さん

――今回のイベントはいかがでしたか?

「焼酎を楽しむ人とカクテルを楽しむ人が予想以上にうまく混ざってくれたと思います。開場時からどんどん皆さんが回遊してくださり、焼酎もカクテルも両方味わいつつ、セミナーを聞いたり、ご飯を食べてくれたりして、僕が意図した楽しみ方をしてくれたことは嬉しかったです」

――カクテルをつくる上で南雲さんにとって焼酎とはどういう存在ですか?

「2つあります。まずは使命感です。僕たちバーテンダーは自分たちのテロワールや文化を大切にしながらカクテルを提供する使命があると考えています。日本の文化に根付いた焼酎と日本酒を使うということは、自分たちの国に誇りを持っていることの表れでもあります。

もうひとつは焼酎の特性です。焼酎はほかのお酒と明らかに違うフレーバーをたくさんもっており、度数も20~44度まであって一筋縄ではいきません。それでも理解してカクテルで発信することは面白いことだと感じています」

――今後焼酎を広めるためには何が必要だと考えていますか?

「認知とブランディングが必要だと考えています。それぞれのスピリッツが流行った経緯をみると、ひとつの固有のブランドが突き抜けた先に、ほかがついてくるということが多いのです。そのため、焼酎でもトップブランドが突き抜けた時、何をするのかが大事だと考えています」

焼酎は日本酒と比べるとまだまだその魅力が伝わり切っていないことが課題です。しかし今回のイベントで焼酎にはまだまだ無限の可能性があると感じました。まずは今回知った焼酎の楽しみ方を自宅でも挑戦してみたいと思います!

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