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海外ニュースサイトで読む「SHOCHU」のいま

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海外ニュースサイトで読む「SHOCHU」のいま

Text : SHOCHU NEXT

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お酒界隈の片隅にいるとよく聞く「焼酎を海外へ」という言葉。現時点では“SAKE”として世界で定着した日本酒や、ぐんぐんと輸出量が伸びているウイスキーに遅れをとっているものの、日本が誇る蒸留酒・本格焼酎は、世界のどこに出しても通用する味。それは私たちも日々実感しています。

創刊以来(って1年も経ってませんけど)、焼酎を世界へと届けることを標榜する私たち編集部では、実はリサーチの一貫として、海外ニュースサイトで「SHOCHU」がどんな風に書かれているかをチェックし続けています。海外だからこその視点が勉強になることも多く、日本の皆さんにもお届けしたいな、と思うことも少なくありません。

というわけでまずは2ヶ月分の「SHOCHU News」をピックアップ。意外な発見があるはずです!

焼酎の輸出増大の鍵はどこにある? 海外ニュースにヒントを探そう

英大手紙『ガーディアン』が薦める“SAKEのその先”

For the sake of it: a selection of Japanese tipples | Food | The Guardian

You’ve probably tried sake and know about the Japanese love of fine whisky, but there are other intriguing alternatives such as shochu, speciality gins and tea

さてまずは、イギリス『ガーディアン』の2021年8月13日の記事! 1821年創刊のイギリスの大手紙で、スノーデン文書を託されたあの『ガーディアン』です。これはうれしい……。見出しはこんな感じで始まります。

「SAKEならもう飲んだことありますよね? それから日本人がウイスキー好きなことも、すでに知っているはず。でも日本には、ほかにも焼酎・ジン・お茶など魅力的な飲み物がまだまだあるんです」

そう! これは私たちが心底海外に伝えたいこと! 記事はこの後「オリンピックをきっかけに日本への興味が高まるなか、お酒にも注目が集まっている。あなたはすでに、日本の大手酒類メーカーの名前や、イギリスでもお燗して飲むことが定着しつつある“SAKE”は知っているかもしれない。では実はまだまだ知るべきお酒がたくさんあるのだ」と続きます。

さらにイギリス国内でも手に入る銘柄を挙げて、日本のウイスキー、ジン、そしてお酒を飲まない人に向けて抹茶(ラテで!)なども薦められているんです。

焼酎のお薦めは、熊本県・豊永酒造の米焼酎〈豊永蔵〉!「なめらかで甘く、ナッツ感すら感じるクリーミーさ。日本酒とスペイサイド・モルトのいいとこ取りといった味わい。冷たく出した煎茶と合わせてもよし」とのコメント。海外の方の批評って、やっぱりなかなか面白いですよね?

記事内でおすすされている<豊永蔵>は写真右の2本。豊永酒造は個性的な熟成焼酎づくりでも知られている。

米『GOTHAM』が提案するSHOCHUカクテル

Where to Watch the Tokyo Olympics in NYC

The Summer Olympics are finally here, and while there are no spectators in the stadiums this year, we’ve put together a list of the best seats in the house. Whether your style is more sp…

お次はニューヨーク拠点のライフスタイルマガジン『GOTHAM』のウェブサイトから。ファッション、アート、セレブネタ、料理など幅広く扱うこちらの雑誌は2001年の創刊。現在はデジタルでの展開を主軸にしています。

こちらの記事が掲載されたのは2021年7月20日。記事タイトルは「東京オリンピック、NYCならどこで見る?」。いろんなことがあったオリンピックですが、こうして多少なりとも、世界からの注目を集めるきっかけにはなったのかもしれませんね。

100%太陽電池で作動する屋外スクリーンのある、エココンシャスなルーフトップバーや、巨大なハンバーガーが楽しめる、各テーブルにTVモニターを備えたスポーツバーなどさすがニューヨークなリスティングの中、ジャージーシティの人気ラーメン店「Ani Ramen」がランクイン。彼らのカクテルのラインナップから〈iichiko〉を使った焼酎カクテルが2つ、紹介されています。

「The Judo Ball」は麦焼酎〈iichiko〉にドライキュラソー/クランベリー果汁/グレープフルーツ果汁/レモン果汁/ライム果汁/ミントの葉。

「The Suika」は麦焼酎〈iichiko〉にスイカのピュレ/ライム果汁/シロップ/エルダーフラワーリキュール。

詳しいつくり方はリンク先に載っていますが、すごくおいしそうですよね? さすがはカクテル大国。熟成焼酎でも試してみたくなりました!

米『mashed』が紹介する日本の知られざる味

How This NYC Pop-Up Let Customers Take Their Taste Buds To The Olympics

Katana Kitchen collaborated with iichiko, a leading shochu producer, to create a cozy bar with signature cocktails for an Olympic viewing experience.

「すべてのフーディーに捧げるマガジン」をうたう『mashed』もまたニューヨーク拠点のメディア。夜ごはんのレシピから最先端のレストラン情報まで幅広くカバーするこちらでも、オリンピックの閉会が見えた2021年8月8日に、「何度訪れても、また、どれだけ知ってもさらに奥が深い日本の味」の好例として焼酎を挙げています。

焼酎の紹介が奮っていて、曰く「欧米の人々は、日本人は皆日本酒を飲んでいると思っているかもしれない。だがその実、“SAKE”より“SHOCHU”の方が消費量が多いのだ!」

そう~、そうなんですよ……。海外ではまだまだ認知度が低いけど、焼酎は本当によく飲まれている、一般的なお酒なんです!(涙)

記事には、「ストレートはもちろん、ほかの蒸留酒と同じく、ロックやソーダ割り、お茶割りなどさまざまな飲み方ができる」とも書かれていて、ロウアーマンハッタンにある「Katana Kitchen」による焼酎カクテルのレシピがこちらの記事にも2つ書かれていましたのでご紹介。家飲みの参考にどうですか?

「ムギサワー」は麦焼酎/パッションフルーツ/レモン果汁/ソバ花のハチミツ/卵白。

「ユズ塩酎ハイ」は麦焼酎/ユズ/海塩/ベルガモット。

光量規制にも踏み込んで紹介した英『the drinks business』

Japanese shochu struggling to grow its presence abroad – The Drinks Business

The Drinks Business is the leading drinks magazine for the off and on trade

お次は再びイギリスから。広く酒類まわりのニュースを扱う月刊の月刊誌『the drinks business』のウェブサイトに、2021年7月15日に掲載された記事です。

誌面とは別のコンテンツで独自に展開するこちらのサイト、世界から年間600万PVあるといいますから、なかなかの大手ですね。

記事タイトルは「海外での存在感を増すべくもがく、日本の焼酎」。焼酎とは何かといった初歩的なところから詳しく説明しながら、輸出の現状についてリポートしています。

2018年にEU圏で、2020年末にアメリカで容器容量規制が一部緩和され、日本の焼酎が輸出しやすい土壌は整ってきたものの、焼酎の年間輸出総額は15億程度に留まり続けている。一方で10年前は焼酎と同程度の水準だったウイスキーの輸出総額は現在では271億円に。日本酒も241億円に達している。伸び悩みの要因のひとつとして光量規制を挙げ、その背景にも迫っています。

輸出を伸ばすためには?

本格焼酎・泡盛は、政府が発表した「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」に も、重点品目として清酒、ウイスキーとともに指定されました。国にとっても大事な輸出の品目であることは間違いない。こういう海外からの興味を足がかりにして、効果的な広報や啓蒙をしてほしいなあ! と切に願います。

本格焼酎・泡盛の海外輸出については、これまでに日本貿易振興機構(JETRO)の方に取材したこんな記事も!ぜひ合わせてお読みください。

焼酎は、マーケットインで世界を狙え!|JETRO 西本敬一さんの熱意の理由 | 熟成を知る、焼酎を楽しむWEBマガジン 「SHOCHU NEXT」

2020年の10月にオープンした英語のウェブサイト”Discover Shochu”を知っているだろうか。 日本貿易振興機構(JETRO)が運営するこのサイト、海外の人々に焼酎・泡盛を伝える時の、とてもいい入り口になりそうだ。日本のクラフトスピリッツである焼酎・泡盛とはそもそも何か、どんな土地でどんな人々がつくっているのか、世界の主な蒸留酒と比較してどんな特長があるのか……。外国人に焼酎について伝えるならば、このサイトを紹介すればいい。 「SAKE」は世界的に浸透したけれど「SHOCHU」はまだまだ、という状況を打破するために、焼酎をつくる人、売る人、伝える人たちの拠り所にもなっていきそうだ。

外国人が焼酎をテイスティング! YouTubeチャンネルはこちらです

SHOCHU NEXTのYouTubeでは、在日外国人が熟成焼酎を飲んだら?という動画を配信しています。初めて出会うさまざまな銘柄に何を思うか、どんなことを喜んでくれるか、興味深いものばかり。へー、そういう印象なんだ! と多くの発見とともに、焼酎は海外に絶対通じるはず、と背中を押されるような気がします。こちらもぜひご覧ください!

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