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8月のおすすめ焼酎|甘くかわいいだけじゃない!  焼酎ベースのリキュール6選 

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8月のおすすめ焼酎|甘くかわいいだけじゃない!  焼酎ベースのリキュール6選 

Text : SHOCHU NEXT

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“リキュール”の言葉で思いつくのってどんなお酒ですか? そもそもリキュールは、蒸留酒に果物やハーブなどを入れて味や香りを移したものバーなどでもおなじみのカシスリキュールやコーヒーリキュールのほかに、焼酎がベースの梅酒やゆず酒などもリキュールです。

蒸留酒がベースとなるだけに、焼酎や泡盛を使ったリキュールはこれまでたくさんつくられてきました。さらに近年では、本格焼酎・泡盛の蔵元も、工夫と手間を込めた実力派のリキュールを数多く出しています。果物やハーブなどの副原料に個性が光るのはもちろんのこと、元のお酒の風味も残る複雑な味わいで、焼酎好きならチェック必須の銘柄がいくつも見つかります。リキュール=甘いから苦手、なんて思っているとしたらいまや大間違いなんです。

というわけで今月は熟成焼酎・古酒を手がける蔵元のリキュールを6銘柄、厳選してご紹介します

オススメ焼酎リキュール 01
〈SETOKA PEEL〉松露酒造

“せとか”はみかんの品種のひとつで、糖度が高く甘さと濃厚さが際立つ人気のフルーツ。ただし、トゲがあるうえに皮は薄く、傷つきやすいため丁寧な栽培が必要です。さらに他のみかんに比べて収穫までの期間も長いため、どこでもつくれるというものではない……と、なかなか生産者泣かせの果実ながら、味はすごくいいよう。せとかにハマっている知人も結構いて、季節になるとネットで取り寄せるほど、病みつきなるうまさなのだとか。

このリキュールは、宮崎県の松露酒造が2020年に新発売したもの。苦労も多い果実をつくり続ける地元の農園産にこだわって、試行錯誤を重ねて誕生した意欲的な一本。せとかの皮を乾燥させ、10年以上熟成した麦焼酎に漬け込んでいます。柑橘ならではの爽やかな苦味が凝縮して、甘ったるいフルーツリキュールとは一線を画す味わいで、お酒好きも大満足の仕上がりです。麦の熟成酒でなければこの味は実現しないそうなので、焼酎の奥深さもぜひ体験してほしいです。

お酒を飲む日のはじめの一杯として、個人的にはソーダ割りを重宝しています。さらに、蔵元のホームページで紹介されている、家でも試せるカクテル“せとかエスプレッソカクテル”もかなりおいしい! これは、〈SETOKA PEEL〉にコーヒー、トニックウォーターを加えるもの。夏の家飲み定番カクテルとしてハマりそうです昨年は500本限定という少量販売だったので、酒販店では見つけづらいけど、ネットには少し残っています。蔵元によると次回は発売本数も増えるとのこと。その際はまとめ買いもおすすめですよ。(編集部DS)

SETOKA PEEL
【リキュール】
度数 41度
原材料 
本格焼酎(長期貯蔵黒麦44%)、氷砂糖、せとか乾燥果皮

蔵元 松露酒造 WEB→
所在地 宮崎県串間市

オススメ焼酎リキュール 02
〈朝日の島ミカン酎〉朝日酒造

〈朝日の島ミカン酎〉をつくるのは、奄美群島の喜界島にある朝日酒造。〈神喜の目醒め〉や〈陽出る國の銘酒〉など熟成黒糖焼酎を手がけ、奄美諸島で最も古い焼酎蔵として知られています。朝日酒造がとにかくこだわるのはサトウキビをはじめとする原料。自社農園で有機栽培のサトウキビを育てるなど、地元の原料を使った酒づくりを行っています。

〈朝日の島ミカン酎〉で使用される「島ミカン」も喜界島に古くから育つ柑橘類の総称。「シークー」や「クリハー」「フスー」など聞き馴染みのない喜界島固有の柑橘たちを〈陽出る國の銘酒〉に漬け込んだ1本です。糖類不使用なので、味はすっきり爽やか。島ミカンの酸味と黒糖焼酎の甘みが優しいリキュールです。8%と飲みやすい度数なので、瓶ごと冷やして飲むもよし、炭酸で割ってシュワッと島ミカンチューハイとして楽しむもよし! 限定300本のため、見つけたら必ずゲットしてくださいね!(編集部KW)

朝日の島ミカン酎
【リキュール】
度数 8度
原材料 
島ミカン(喜界島産)、黒糖焼酎(〈陽出る國の銘酒〉)

蔵元 朝日酒造 WEB→
所在地 鹿児島県大島郡喜界町

オススメ泡盛リキュール 03
〈アセローラとシークヮーサー〉山川酒造

こちらも南国感あふれる1本!〈アセローラとシークヮーサー〉は、沖縄県国頭郡本部町の泡盛蔵・山川酒造による琉球泡盛ベースのリキュールです。1946年の創業以来、古酒にこだわって泡盛づくりを行う山川酒造は、地元の人々から「古酒のやまかわ」と愛され続ける蔵元。代表銘柄〈珊瑚礁〉や、熟成年数15年以上の〈限定秘蔵酒 かねやま〉など数多くの古酒を製造しています。

〈アセローラとシークヮーサー〉のベースにも、3年熟成の古酒〈さんご礁〉を使用。本部町特産のアセローラと、酸味の効いたシークヮーサーを合わせることで、古酒特有の柔らかい甘みと果実の酸味がマッチした1本に仕上がっています。300mlと手頃なサイズ感で、リキュールはなかなか飲み切れない…という人にもおすすめ! 手土産や贈り物にもぴったりな、夏の甘酸っぱいリキュールです。(編集部KW)

アセローラとシークヮーサー
【リキュール】
度数 8度
原材料 
泡盛(〈さんご礁〉)、シークヮーサー、アセローラ果実(沖縄県産)、糖類、野菜色素、香料、酸化防止剤

蔵元 山川酒造 WEB→
所在地 沖縄県国頭郡

オススメ焼酎リキュール 04
〈KUMA TOMATO〉堤酒造

焼酎のトマトジュース割って、案外おいしいんですよねえ。糖質ゼロの焼酎とリコピンたっぷりのトマトの組み合わせは健康的で、罪悪感なく飲めちゃいます。そんな絶妙な組み合わせが一本になったのがこのリキュール。米焼酎を代表する球磨焼酎にトマトをまるごと使った、うま味と栄養がたっぷりのリキュールなんです。実は熊本県って、トマトの出荷量全国一位なのだとか。特産品同士の必然のコラボというわけですね。度数は8度と低めなので、そのまま氷を入れるだけでOK。コショウや塩のほかに、ローズマリーやオレガノなどのハーブも合いそう。ちょい足しもいろいろ試したくなるのも楽しいです。

このリキュールをつくる堤酒造は、歴史ある蔵元として王道の焼酎を手がける一方、新時代の焼酎づくりも積極的に行う挑戦的な蔵元。一つの樽の原酒をそのまま瓶詰めした、いわゆるシングルカスクの焼酎をつくったり、日本酒と焼酎をハーブを使って和製ベルモット(ヨーロッパで一般的な的な果実酒)をつくったりと、驚きが絶えません。トマトリキュールで焼酎への入り口が開いたら、ぜひほかの銘柄もチェックを。楽しい世界が広がっていますよ!(編集部DS)

KUMA TOMATO
【リキュール】
度数 8度
原材料 
本格焼酎【米(国産)、米麹(国産米)】、トマト、砂糖、食塩、香料

蔵元 堤酒造 WEB→
所在地 熊本県球磨郡あさぎり町

オススメ焼酎リキュール 05
〈COFFEE SPECIALITE〉天盃

コーヒーと焼酎はとにかくよく合う! というのはコーヒー焼酎のつくり方の記事などでもご紹介している通り。特に麦焼酎とコーヒーの相性は、香ばしさが何倍にも増して抜群です……。そんな麦焼酎とコーヒーのマッチングを最大限に生かしたのが、福岡県の焼酎蔵・天盃による〈COFFEE SPECIALITE〉。厳選した原材料と麦焼酎のみを使用した、プレミアムなコーヒーリキュールです。

ホンジュラス産の手摘み最高級コーヒー豆からくる高い香りと、地元・筑前町の特産品の無添加黒蜜の優しい甘み、麦焼酎の香ばしさが絶妙に合わさった濃厚な味わいはさすがの一言。コーヒーリキュールにありがちな甘みは控えめなので、好みによって甘さを足すなど、カスタムしながら楽しめそう。アルコール度数は25度としっかりめ。しっぽりとストレートかロックで飲むのも楽しそうですよね。甘いお酒が苦手な人には迷わずおすすめしたい、上品な香りあふれる1本です。(編集部KW)

COFFEE SPECIALITE
【リキュール】
度数 25度
原材料 
本格焼酎(国内製造)、黒糖みつ、コーヒー

蔵元 天盃 WEB
所在地 福岡県朝倉郡

オススメ焼酎リキュール 06
〈リトルキス(紅茶)〉東酒造

芋焼酎〈七窪〉などが知られる鹿児島県東酒造による〈Little Kiss(紅茶)〉。かわいらしい名前は「Little(しょう)」&「Kiss(ちゅ〜)」から。そう、しょうちゅうを使ったリキュールなんです。ベースは米焼酎と灰持酒(あくもちざけ)である〈黒酒〉。灰持酒は、火入れをせず木灰を加えることで保存性を高めたお酒。火入れをしていないので発酵由来の酵素が生きている、とろりとした天然の甘さを持ったお酒です。ここに県内徳之島産のべにふうき紅茶茶葉を漬け込んだ一品。瓶を開けると紅茶の香りがふんわり。トゲのない甘さでとっても飲みやすい紅茶リキュールです。 

ロックや炭酸割りもよいのですが、紅茶の飲み方を思い浮かべながらバリエーションをつくると楽しい。おすすめは牛乳や豆乳でつくるミルクティーカクテル。ほとんどアルコールを感じない飲みやすさです。ほかにレモンソーダ割りや、ホットミルクにシナモンやカルダモンなどを足してチャイにしてもおいしい。甘めリキュールの底力を見せてくれます。(編集部SA)

LITTLE KISS 紅茶
【リキュール】
度数 14度
原材料 
米焼酎、砂糖、紅茶、灰持酒(黒酒)、香料

蔵元 東酒造 WEB→
所在地 鹿児島県鹿児島市

さらに、注目の焼酎リキュールを紹介!
スパイスたっぷりの新感覚なテイスト〈カルダモン TAKE7〉の秘密に迫ります!

行きつけのカレー屋にも置いてほしい!|焼酎の新しい扉を開いた豊永酒造の〈カルダモン TAKE7〉 | 熟成を知る、焼酎を楽しむWEBマガジン 「SHOCHU NEXT」

カレー店やエスニック料理店で、近頃よく見かけるようになった焼酎があるのを知っているだろうか? その焼酎は、隣の席で飲んでいても”ガン見”してしまうほど香りが豊か。そのうえ、香りに誘われて飲んでみても裏切らない味わいだ。スパイシーな料理を軽々と受け止め、すっきりと流し込んでくれる。”そうそう、焼酎ってホントに食事に合うんだよね!”と改めて思わせてくれる、圧巻の出来栄えだ。その焼酎とは、球磨焼酎の豊永酒造による〈カルダモン TAKE7〉。米焼酎にカルダモンを漬け込んだ、酒税法上では”リキュール”の部類のお酒だ。

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