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スパイスの代表格「クミン」が新しい焼酎の世界を切り開く⁉︎|スパイスハイボールアレンジ:クミン編

レシピ・飲み方・食

スパイスの代表格「クミン」が新しい焼酎の世界を切り開く⁉︎|スパイスハイボールアレンジ:クミン編

Text : Kaoru Yoshimitsu
Edit : SHOCHU NEXT
Photo : GINGRICH(SHOCHU NEXT)

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最近、じわじわと人気が高まっているのが、スパイスと焼酎のマッチング。カルダモンや山椒、唐辛子とさまざまなスパイスを使った銘柄が続々と登場しているほか、バーや居酒屋でもスパイスを加えた焼酎メニューが増えはじめています。しかし、焼酎とスパイスの相性はまだまだ奥深いはず。そこで、数々の焼酎アレンジを生み出している焼酎マイスター、吉満 SCENT 香さんに、家でも気軽にできるスパイスハイボールの作り方を教えてもらいました。

今回、取り上げるのは、カレーやエスニック料理にはお馴染み、強い香りが特徴の「クミン」。ぐいっと豪快に飲みたいパンチの効いたアレンジから、食中酒にぴったりな一杯までさまざまなレシピが揃いました!

クミン&シナモンでスパイシーさマシマシ! 「黒糖焼酎キューバリブレ」

まずはじめに試してみるのは、世界で最も飲まれているカクテルのひとつ「キューバリブレ」をベースにしたスパイス割り。ラムをコーラで割った「ラムコーク」にライムを加えるのが一般的な作り方ですが、今回は黒糖焼酎とクミン、シナモンを使ってアレンジを試してみました!

レシピは超お手軽。お好みの黒糖焼酎とコーラを1:2で割って、レモンをぎゅっとひと絞りするだけ。ラムの代わりに黒糖焼酎、ライムの代わりにレモンを使うことで、スタンダードなキューバリブレに比べ、酸味が引き立つ爽やかな印象に。そこへクミンとシナモンを加えることで、オリジナルのキューバリブレにも劣らない、より刺激的な味わいへと変化します!

パンチの効いた香りと優しい苦味を持つクミンは、1つまみ入れることで清涼感がアップ。シナモンはパウダー状であれば2つまみ、スティックの場合はゆっくりと2〜3回ステア。甘やかな香りが黒糖焼酎のフレッシュな味わいをぐんと底上げします。

一口含むとまず広がるのは、クミンとシナモンのはっきりしたフレーバーとコーラのたっぷりした甘み。後を追うように黒糖焼酎のクリアな香りとレモンの酸味が鼻を抜けていきます。濃厚な味わいと後味のキレの良さは、BBQなどがっつりした肉料理にもぴったり。天気の良い休日にガツンと飲みたくなるアレンジです!

爽快感がたまらない! クール&スパイシーな「芋焼酎クミンモヒート」

キューバリブレとならび、世界中で愛されている南国のカクテル「モヒート」。ライムと黒糖、ミントから生まれる軽やかな酸味と甘み、ラムのなめらかな飲み心地が合わさった清涼感あふれるカクテルです。キューバリブレはラムの代わりに黒糖焼酎を使いましたが、今回はより華やかな香りを求めるべく芋焼酎をチョイス。さらに味わいを深めるため、クミンを加えてみます!

こちらも作り方は簡単。グラスに黒糖とライムを入れてすり潰した後に、ミントを入れて優しくマッシュ。氷をたっぷり入れたら芋焼酎とソーダを1:2の割合でゆっくり注ぎます。最後にクミンシードをひとつまみ加えて、軽くステアすれば「芋焼酎スパイスモヒート」の完成! 

グラスに顔を近づけると、真っ先に感じるのはクミンのスパイシーな香り。後から芋焼酎のみずみずしいフレーバーとミントのクールな清涼感がすーっと鼻を抜けていきます。香りに劣らず、飲み心地も超爽快。ライムの若々しい酸味と黒糖のマイルドな甘み、芋焼酎の果実感の三位一体で、さらりとした喉越しが楽しめます。

ポイントは黒糖とライムをたっぷり入れること。しっかりとした酸味と甘みが芋焼酎やクミンの香りを引き立たせます。甘い風味がお好みの場合は、シナモンを加えることでよりスパイシーなスイーツテイストに。ガッツリ系の料理とのペアリングはもちろん、カクテル単体でもゴクゴク飲み進められる一杯です!

一手間加えればクミン炸裂! スパイスの香りを最大限に引き出した「黒糖焼酎クミンバック」

はっきりとした香りや辛みは、スパイスの最大の持ち味。なかでもクミンは「これぞスパイス!」と思わせる強い香りが特徴です。この刺激的な香りをめいいっぱい引き出すべく試したのは、黒糖焼酎とジンジャーエール、クミンでつくる「黒糖焼酎クミンバック」。クミンをひとつまみ落とすだけでもスパイシーな香りが生まれますが、さらに香りを強めるためにもう一手間加えてみました!

まずは黒糖焼酎100mlに対し、クミンシードをティースプーン1杯を入れ、30〜60分ほど漬けて下準備。しっかりクミンの香りが焼酎に移ったら、氷をたっぷり入れたロンググラスに茶漉しを使って注ぎます。その後ジンジャーエールを焼酎の倍量加え、レモンを軽く絞れば完成!

なんといっても特筆すべきは、グラスに注いだ瞬間に立ちこめる鮮烈なクミンの香り。口に含めば、黒糖焼酎の甘みとレモンの柑橘香が口の中に穏やかに広がります。ジンジャーエールの辛みによって後味はキレ良く、口当たりは軽やか。黒糖焼酎のフレッシュな香りも相まって、飲み疲れすることのない飲み心地が生まれます。

「もっとスパイシーな香りが欲しい!」という時は、最後にクミンシードを直接加えることでさらに香りが刺激的に。スパイスの特徴を最大限に生かした、香りで楽しめるアレンジです!

スパイスの基本「タ・ク・コ」と樽熟成麦焼酎で、カレー風味な「焼酎タクコサワー」に⁉︎

スパイス料理の代表格、カレー。そのベースとなるターメリック、クミン、コリアンダーの3つのスパイスは通称「タクコ」と呼ばれ、カレーのみならずスパイス料理をつくるときの基本として知られています。何事も初心忘るべからず、最後は樽熟成麦焼酎と「タクコ」を使ったアレンジに挑戦してみました!

用意したのは、ターメリック、クミンシード、コリアンダーシードと、神の河樽熟成焼酎の<神の河>、柑橘(柚子もしくはライム)、ジンジャーエール。まず、3つのスパイスを同量グラスに入れ、麦焼酎をグラスの1/3ほど注ぎます。スパイスが焼酎になじむまでマドラーで混ぜ合わせたら、氷をたっぷりとグラスイン。ジンジャーエールをグラスいっぱいに注ぎ、最後に柑橘を一絞りすれば「焼酎タクコサワー」のできあがり!

樽熟成の琥珀色にターメリック、ジンジャーエールが合わさって、見た目は淡いカレー色。「香りもカレーなのだろうか……」と恐る恐る顔を近づけると、最初に感じるのは樽熟成の芳醇な香りとフレッシュな柑橘香。その奥から、ターメリックのほろ苦さ、クミンのシャープなスパイス香、コリアンダーシードの爽やかなフレーバーが優しく鼻を抜けていきます。味わいも尖りすぎず、ふんわりとマイルド。ジンジャーエールの甘みに、麦の香ばしさと柑橘の酸味、スパイスの複雑な味わいがミックスした濃厚な風味が舌の上に広がります。

カレーやエスニック料理などスパイシーな料理と合わせて飲めば、すっとに辛みを抑えてくれるため、食中酒としてもおすすめ。さらにお好みのスパイスを加えることで、オリジナルの焼酎スパイスサワーがつくれます!

今回使ったスパイスはクミンをはじめ、代表的な数種類。世界に数百種類あると言われているスパイスと、バラエティ豊かな焼酎の組み合わせは無限大。次は果たしてどんなスパイスが焼酎とタッグを組むのか、乞うご期待!

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